屋内で気軽に出来る肝試しの方法
少人数、短時間、そして屋内で実施可能な『肝試し』がある。
そのやり方と体験談を紹介する。
【方法】
1、主催者がこの肝試しのやり方を参加者に説明する。
2、1名~数名でトイレに行く。
【備考・注意点】
1、トイレに行く以外にルールや用意しておく物はないが、事前に怪談話をしたりすると盛り上がる。
2、一度にトイレに行く人数は何人ずつでも構わない。
3、トイレに行った証拠を持ち帰りたい場合は、トイレットペーパーの切れ端などが無難。理由は後で水に流せるから。(火を使った破棄は望ましくない)
4、トイレに行く間はできるだけ静かに。(喋ってはいけない、という訳ではない)
やり方は以上。
そう、ただトイレに行くだけだ。ただ・・・
以下は上記の肝試しを実施した俺の体験談になる。
そっち”何か”ないか?
参加者は7名、場所は先輩Aさん宅、時間はよく覚えていない。
どういう流れか忘れたが、電気を消して『かまいたちの夜』というゲームをやっている時、ふいにA先輩が「休憩中に怪談もやろうぜ」と言い出した。
「じゃあ、こんなのがあるけど」と、別の先輩Jさんがこの肝試しを提案してきた。(説明役もJ先輩)
ルートは、2階にあるA先輩の部屋から階段を下りて1階のトイレまで行き、行った証拠にトイレットペーパーの切れ端を各自持って帰ってくる。
人数が半端だったので、行くのは1人ずつになった。
実は俺、怪談は好きだが肝試しやお化け屋敷が苦手だ。
なので、途中にある鏡や微妙に開いている襖、廊下の先の暗がり、トイレの水を流す音など、その度に馬鹿みたいにビクビクしながら、どうにかこうにか行って帰って来た。
他の面子は俺よりも気楽に肝試しを楽しんだようで、帰って来ては「謎の影を見た」、「ゾンビに遭遇した」、「どこからかドナドナが!」と、好き放題に言っていた。
そうして肝試し自体は何事もなく終わった。
問題は次の日。
朝方、A先輩宅から自分の家に戻り、ベッドにダイブしたちょうどその時、J先輩から電話がかかってきた。
「昨日の肝試しだけどさ、そっち“何か”ないか?」
「・・・”何か”ってなんですか???」
ビビりな俺は怖くなって聞き返した。
誤魔化されそうになったが、なんとか聞き出した。
「証拠にって持ってきた切れ端あるじゃん。あれ、何故か8枚あるんだよね」
「えっ・・・・・・」
「大丈夫、大丈夫。もう俺の『大』と一緒に流しちゃったから。時々あるんだよね~。でもこういうのは深く考えない方がいいんだよ」
J先輩はそう言うと電話を切った。
普通に考えれば、誰かが2枚持ってきたのだろうとなるが、あまり深く考え過ぎると自分の家に”何かが出そう”だと思い、そこで思考を打ち切った。
以来、何度かその肝試しをやったが、”何か”があったのも俺の知る限りはその時だけだ。
それに、周りでは気軽にできる肝試しとしてわりと好評の様子。
こういうのが好きな人は試してみてくれ。
(終)
肝試し中、誰もトイレ入ってないならトイレの水洗の音はおかしいよね・・・。