農道で不思議な女性に出会った翌日
友人の先輩の佳奈子さんは岡山県在住。※仮名
岡山県は盆地で、新幹線の車窓からだと広く畑の続く風景が見れたりする。
佳奈子さんの実家はそんな風景の中、ぽつんと連なる数軒の民家のうちの一軒だそう。
ある日、佳奈子さんは夜遊びの帰りに、ずいぶんと遅い時間に家までの農道を歩いてた。
すると道の向こうから、誰かが歩いて来るのが見えた。
周辺は見渡す限りの畑と、数軒の家だけ。
遅い時間にこんな所を歩くのは、きっと近所の誰かだろう。
私もこんな時間に帰宅とか、バツが悪かったかな。
そんな思いで、自然と顔が伏せ気味になっていた。
ただ歩みは緩めなかったので、そろそろすれ違うかな…と歩いているのに、なかなかすれ違わない。
うーん?と思い、顔を上げてビックリした。
なぜなら、真正面に着物姿の知らない女性が立っていたから。
その女性はニコニコと微笑んでおり、深々とお辞儀をするとスッと消えてしまったという。
曰く、恐怖よりも訳がわからなかったらしい。
翌日、佳奈子さんの家の敷地内や家前の道路の水道管が破裂し、改修工事で掘り返したところ、『人骨』が見つかったそう。
かなり古いものだったのか、特に事件にはならなかったと。
そんな話を友人から聞いた時、なんだか昔話みたいで好きになった。
(終)