そこで写真を撮ってしまった結果
これは、私が小学生の頃の話。
友人の山岡(仮名)は自称霊能者だったが、クラスや学年の皆は信じていなかったと思う。
ある日のこと、山岡は『一枚の写真』を学校に持ってきた。
始めのうちは「学校に写真なんて持ってきてんじゃねーよ」的なノリでからかっていたのだが、その写真を見た途端、一同が唖然とした。
写真には山岡と両親らしき人がピースサインをして写っている。
しかし、両親はしっかりとカメラ目線なのに山岡は違った。
彼は斜め上を見上げるような感じだった。
そしてその目線の方向には、女性らしき顔の人物が凄い形相で写っていた。
また、その女性の左目は黒くなっていた。
その写真を見て、中には泣き出す者まで。
山岡いわく、その写真を撮った場所に着いた時から妙な違和感があったらしい。
実際に両親が写真を撮ろうと言った時、「やめておいた方がいいよ」と言ったそうだ。
だが、両親は写真を撮るのをやめるわけもなく、結局は撮ってしまったという。
こんな場面に遭遇して山岡自身も驚いたらしいが、カメラのシャッターを押してフラッシュがたかれた瞬間、左の方の林から霊が飛び出してきたとか。
なぜ飛び出してきたかはわからないと。
それから1週間程は何も起こらなかったが、2週間目に入った時、父親が左目に違和感を覚えたという。
その時点ではまだ写真を現像していなかった為、山岡は霊のせいではないだろうと思っていた。
そして3週間目。
写真を現像してその写真を見つけた時、山岡と両親はとても驚いた。
気持ち悪いとのことで両親は放置していたのだが、山岡は「供養した方がいいよ」と両親を説得し続けたそうだ。
だが供養せず、4週間目のことだった。
父親の左目は突然失明してしまったという。
病院で調べても原因は不明。
しばらくして両親が写真を供養すると言い始めた時、山岡はクラスの皆に自分の霊能力を信じさせるのにちょうどいい出来事だと思ったらしく、件の写真を学校に持ってきたそうだ。
その後、写真は供養したそうだが、クラスの中で最初にその写真をからかった者まで左目を失明してしまった。
ちなみに、残念ながら山岡とはもう付き合いはない。
山岡は当時に引っ越した為、今の消息は不明。
もっと色々な話を聞きたかった。
(終)