身体に入る黒い人影
中学校の時の話。
俺と何人かの友達は、
学校が終ったらほぼ毎日
野球をしていた。
まぁ、みんな未経験者で
和気藹々と野球を楽しんでた。
場所は、よくある
河川敷みたいな所で、
倉庫みたいなのが
ぽつんと一つあった。
日が暮れたら野球終わり
の合図にしていて。
で、体験したその日は、
別にいつもと変わらず野球していて、
いつもと同じように日が暮れた。
ボールが見えなくなってきたので
お開きにしようって事になって、
野球道具を片付けてたんだけど、
そこで一人の友達が
「ちょっとまって!!アレ・・・何?」
って、倉庫の方を指差した。
「ん?どれ?」
みたいな感じで注目したら・・・。
黒い人影が、
地に足着いてない感じで
スイスイ動いてる。
まだ明るいのに、
その人影は真っ黒。
そして、みんな注目しきった
その時、
その人影がスーって、
こっちに向かって来た。
「なんだアレ!!絶対ヤバイ!!」
とか言いながら
恥ずかしいい話だけど、
マジで中学生にもなって
ションベンちびりそうになった。
みんなも半泣きで。
自転車に速攻またがって
必死で逃げた。
とにかく、家まで全力疾走した。
家に着いて少し落ち着いたので、
友達に電話をかけてみた。
話を聞くと、
みんな自転車で
逃げたみたいなんだけど、
一人だけ自転車で来ていない
奴がいて。
しかもその友達は、
キャッチャーやるタイプの
太った子だった。
途中まで見てた友達曰く、
黒い人影の標的は、もう
キャッチャー君になってたらしい。
漫画みたいな話だけど、
そのキャッチャー君は転んじゃって。
黒い影がキャッチャー君の
身体に入っていった。
見てた友達は『ゴメン・・・』って
思いながら、
必死に逃げたらしい。
次の日、
キャッチャー君は学校に来て、
特に異常は無かった。
ここで話は終わり。
でも、二度と
あの場所には行かない。
(終)
俺の中での怖い話史上もっともあっさりした話だな