キャンプ場で走り続ける少年
俺が高2の時、
友達5人でY県のO川へ、
キャンプに行った時の話です。
そこは、川の傍に
テントを張る場所があって、
俺達は川に一番近い所に
テントを張りました。
他に来ていた人達は、
2組ぐらいだったと思います。
ちょうど10時だったと
思うんですけど、
皆で酒を飲んでいたら、
俺達の側を小学生ぐらいの子供が
走り抜けました。
初めは、
まあキャンプだし、
子供がいるのは不思議じゃなかったので
放っておいたんですが・・・。
何回も行ったり来たりしてたので
ちょっと気になって、
走って行く方を見ていたら・・・。
走って行く先が途中で見えなくなり、
よく見たら顔も判別不能だったんです。
気持ち悪くなって友達に、
「走ってる子供の家族、
何処にいるのかな?」
って聞いたら、
「俺も気になってた」
って言ったので、
次に来たら声を掛けよう
って事になったんです。
でも、5~6分経っても
誰も来なかったので、
皆で幽霊だと思ったよ、
って笑っていました。
その後、
その事も忘れて遊び、
2時過ぎに、
もう寝ようって話に。
テントの中に入り
雑談していると、
テントの周りを人が走っている
音が聞こえてきました。
友達が、
「さっきの子供じゃねえ?」
と言って、
皆あの子供の事を思い出して、
マジでビビっていました。
俺が「うるせえ」と言っても
いなくならなかったので、
友達が、
「何なのか確認しよう」
って言い出した。
皆でテントの外に
出てみたんですが、
足音も止み、
川の音が聞こえるだけでした。
辺りをライトで照らしてたら
急に友達が、
「川の上・・・」
って呟き、
見てみたら・・・。
帽子を被った少年と、
すらっとした女性が、
手を繋いでこっちを
見ていました。
なぜか女性の顔がよく見えて、
無表情の顔が怖かったです。
皆、無我夢中にテントの中に入り
真ん中で固まり、
何を見たのか取り合えず落ち着こう
って言っていたんです。
また足音がテントの周りを
走り出して、
皆大声で、
「くるな」
「かえれ」
と叫んでいたら、
足音がしなくなりました。
それから朝まで、
寝れませんでした。
正直もう二度と、
あそこには行きたくないです。
(終)