初めての幽霊
私は霊感が強いほうだと思います。
高校生ぐらいからはタッロトカードによる占いなどもしていて、
友人たちからもよく当たると評判です。
私自身はカードに書かれていることを読んでいるだけなのですが、
占われている側は不思議がります。
心霊体験も日常的によくあります。
幽霊を見るのもありますが、
気配や話し声を聞くのはしょっちゅうです。
気配は、表現するなら空気がざわつく感じで
陽炎のように空中にゆらめきを見るときもあります。
それはいつものことなので恐怖感はありません。
話し声の方はたまにですが気味が悪いです。
何を言っているのかは全くわかりません。
耳元でラジオの混線のように、
クシュクシュというかゴショゴショというか
内緒話を凄く早口で小さい声で、
わざと聞き取りにくく言われてるみたいに聞こえてきます。
その声は1人だったり2~3人だったり、
男も女も子供も言ってることは全くわからないのに、
どんな人が話しているかのイメージだけは頭に浮かぶので
余計に気味が悪いです。
あるとき、自宅マンションの階段を下りて、
コンビニに買い物に行ったとき、
階段からずっとこういう声が付いてきて、
すごく怖い思いをしました。
その時ふと、
「自分はいつからこんな目に合っているんだろう」
と思いました。
それは小3の夏、
学校のイベントで学年で校内キャンプがありました。
そのとき、校内で肝試しをしたのですが
幽霊らしきものを見たのはそれが最初でした。
肝試しは1チーム3~5人の
仲良しでチームになっていきました。
先生があらかじめ何箇所かに折り紙を置いて来ていて、
それを取りながら進むという方式でした。
今となってはコースまで覚えてはいませんが、
幽霊を見たのは紙を全部集めた直後、
階段を上って最後の通りを抜け体育館に帰るときでした。
階段を上った先は、図書室と視聴覚室、第2音楽室が並ぶ通りで、
その先の階段を下りたら体育館へ帰る近道だったのですが、
第2音楽室の前に白い着物を着た人がユラユラと立っていたのです。
私は悲鳴を上げて、来た道を引き返しました。
一緒に行っていた友達3人も一緒に悲鳴を上げて逃げました。
途中、次のグループとも合流して、
違う道から体育館に戻りました。
その後のことは全く覚えていません。
後日、あの時に同じグループだった子から、
「あの時なんで、急にキャーッって言って逃げたの?」
と聞かれ、
「えっ、だって音楽室の前にお化けいたじゃん!」
と言っても、誰も見ていないということでした。
でもその場所は元々、
水道から離れているのに水浸しになっていたり、
飾った絵もボロボロになったりする
おかしな場所だったのです。
思えばあの日以来、
少しずつ奇妙な現象に出くわしたり、
見たりするようになった気がしますが、
あの時が1番怖かったです。
(終)