幼い娘の奇妙な体験は元夫の影響
これは、霊感と遺伝にまつわる不思議な体験話。
私は30年以上も生きているのに、一度もおかしなものを見たり聞いたりしたことがない。
しかし、娘は幼い頃に二度、おかしなことを言ったことがあった。
最初は2歳くらいの時だった。
お風呂の後、部屋に戻るのに娘を抱いて階段を上がっていたら、娘が「なにー?」と私に突然聞いた。
「何が?」と聞くと、「ママなんか言った」と。
「何が聞こえたと?」と聞けば、「やめろって」と。
娘が小さいこともあって乱暴な言葉は使ったことがなかったので、「やめろ」という言葉が幼い娘の口から出たことにも驚いた。
ちなみにその時、今は離婚した夫と舅さんは仕事に出ていて、家にいたのは居間に姑さんだけ。
私は霊感がないので詳しく知りたくて、娘にまた聞いてみた。
「どんな声やった?男の人?女の人?」
「女の人」
「怖い声やった?優しかった?泣いてた?」
「怖くはないし、泣いてもなかったよ。静かに言った」
結局、この声の主は誰だったのかなと思った。
そして娘が4歳になった直後くらいの時のこと。
昼間に私の顔をじーっと見て、「ママ、昨日ね…」と話し始めた。
前の晩、寝るために私が布団を敷いている時、先に敷いた布団の上に娘がいたのだけど、窓の外にオバケがいたらしい。
またまた私がどんなオバケだったかを聞いたのだけど、娘が言った内容を要約するとこう。
たぶん男、首から上だけ、口も目も大きく開けていた、真っ赤な口だった、とても怖かった、とのこと。
娘は声も出せず枕で顔を隠したらしい。
そのあと私に「なんしよーと?」と言われてそっと顔を出すと、オバケはいなくなっていたと。
「なんでその時に言わんやったの?」と聞くと、「怖かったもん」と。
今、娘は9歳だけど、上の二つのこと以外は全くそういうことはないようで。
私は霊感はないけど元夫は『見る』と言っていたので、もしかしたらそちらの血が濃いのかなと思っている。
(終)