怖い話をしていると寄ってくるもの

ロウソク

 

夕方も暮れに差しかかった

中学校のとある教室に、

 

二人の少女がまだ

居残っていた。

 

仮に、

名前をAとBにしよう。

 

中学2年生で

バレー部だった二人は、

 

外が暗くなってきたから

帰宅することにした。

 

下校の途中、

 

Bが荷物を教室に忘れていた

ことに気づく。

 

B「A、ごめん・・・

 

一緒に取りに行って

くれない?」

 

とAを誘ったのだが、

 

日はすでに沈んでいた為、

Aは嫌がった。

 

それでもBがしつこかったので、

嫌々ながら学校に戻っていった。

 

学校に着いた頃、

辺りはすでに真っ暗だった。

 

教室にたどり着き、

 

荷物も手にしたところで

さあ帰ろうとなった時、

 

BがAに提案した。

 

B「そうだ!

 

なんか凄く怖い雰囲気だし、

怖い話しない?」

 

Aはさすがに嫌だと即答したが、

 

なぜかBがロウソクなども準備し、

火を灯して座り始めて語り始めた為、

 

渋々と仕方なく

ホラー対談に付き合った。

 

しばらく二人で怖い話をし合って、

鳥肌が立ちまくる。

 

でも二人とも笑っていたので、

まあまあ楽しめたらしい。

 

その時だった。

 

廊下からズカズカと集団で

歩いてくる音がした。

 

しかもその集団は、

 

自分達のいる教室へと

向かってくる。

 

B「なに!?なに?」

 

とBは立ち上がった。

 

Aもビクビクしていた。

 

とうとう集団の足音が

教室の前で止まり、

 

ガラっと勢いよく

扉は開いた。

 

「あ!二人ともなんでまだ

ここにいるの?」

 

そこに居たのは、

 

10人のバレー部員の

仲間達だった。

 

AとBはホっとした。

 

B「な~んだ、

みんなだったんだ!

 

今頃帰って来たの?」

 

とB。

 

実はバレー部で合宿に

行っていたのだったが、

 

AとBは風邪を引いていた為、

その合宿にいけなかったという。

 

その他のメンバー達が

帰って来てたのだ。

 

「ちょっと!(笑)

 

というか二人とも

何やってるの?」

 

と部員達。

 

ホラー話をしていることを

伝えると、

 

部員達も楽しそうだから、

とのことで話に加わった。

 

人数も増えた為、

恐怖心も減少するだろう。

 

AとBは安心しきっていたが、

しばらく経ってからだった。

 

「私も仲間に入れて」

 

と呼びかける声がした。

 

みんなで振り向くと、

 

教室の隅っこに見知らぬ

女の子が立っていて、

 

仲間に入れてもらいたそうに

こっちを見ている。

 

しかし、いつの間に

そこに居たのだろうか・・・。

 

ドアは閉まっていたのだが、

 

開いた音さえみんなには

聞こえていなかった。

 

みんなちょっと不思議に

思ったが、

 

「あなた誰なの?」

 

とみんなで聞いてみた。

 

「私、転校生なの。

 

明日からこのクラスに

入ることになってて・・・」

 

ということでみんな納得。

 

その13人目の女の子を

話に加えることにした。

 

そして、またしばらく

経った頃だった。

 

部員の一人が、

 

「ねえねえ、

 

怖い話をしていると

幽霊が寄って来る、

 

って聞いたことが

あるんだけど・・・」

 

と言い出した為、

 

みんなが「どうしようどうしよう」

と一斉に怖がった。

 

それがきっかけで、

 

もう怖いから帰ろう、

ということに話は進んだ。

 

しかし、ここでBが、

 

B「とっておきの恐ろしい

話があるんだ!

 

最後に話をさせて!」

 

とみんなに言った。

 

まあ最後なら・・・

ということで、

 

しかも、とっておき

ということで、

 

みんなはBの話を

聞き始めた。

 

B「あのね、

 

この学校で自殺した女の子が

いるっていう噂があるじゃん。

 

でも先生達は誰がどこで

自殺したとか、

 

全く教えてくれないじゃん?」

 

みんな、うんうん頷く。

 

B「あのね・・・

 

どこで自殺したかって

いうとね・・・」

 

『ここよ』

 

と上から声がした。

 

みんな、ゆっくり上を

向いてみると、

 

そこには恐ろしい顔をした、

首吊りの死体が揺れていた。

 

よく見てみると、

 

その死体はさっき参加した

13番目の女の子だった。

 

「ギャァァァアーーーー!!!」

 

みんなは一目散に

教室を抜け出し、

 

後ろを振り返らずに

階段を駆け下り、

 

それぞれの家へと

走っていった。

 

AとBは近所だった為、

一緒に走っていった。

 

Bが先に家に着き、

 

Aは一人で泣きながら

走っていく・・・。

 

そして家に着き、

 

出迎えてくれた母に、

 

帰りが遅くなったことを

叱られながらも、

 

親の顔を見たAは、

安心してホッとした。

 

夕食の準備をして、

Aは家族とテーブルについた。

 

いざ食べようとしたところで、

電話が鳴って母が出た。

 

「ねえ、A?

Bちゃんから電話よ。

 

急いでるみたい」

 

Aは何だろうと思いながらも

電話に出た。

 

Bはヒステリックになっていた。

 

※ヒステリック

異常に興奮しているさま。

 

B「ねえ、A!!

 

テレビ見た?

ニュース見た?

 

今すぐ見て!」

 

とB。

 

Aはテレビをつけ、

ニュースを見た。

 

テレビのアナウンサーが、

 

緑の茂った山場の映像のニュース

について解説していた。

 

『本日、お昼の12時半頃、

 

山でバスが墜落し、

乗客乗員12名の死者を出しました。

 

乗員は運転手1名、

乗客は教師1名、

 

そして中学生10名・・・

 

(終)

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One Response to “怖い話をしていると寄ってくるもの”

  1. 匿名 より:

    幽霊も幽霊にビビるんだね。
    幽霊なりたてホヤホヤとそれなりの年数を経た者の差?

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