同棲を始めた部屋での怪 1/2

 

俺には、4歳年上の

24歳の彼女がいます。

 

俺が一人暮らしをしている

という事もあって、

 

一昨年の冬頃から

同棲を始めました。

 

それから去年の6月に、

 

俺の仕事の事情で、

埼玉に引っ越す事になりました。

 

部屋は2LDKで何不自由なく

二人で生活をしていました。

 

これは去年の8月の話です。

 

8月に入って彼女が急に、

 

「背中が重くて吐き気がする」

 

と言いました。

 

俺は霊感の強い方ですが、

彼女の周りには何も見えませんでした。

 

そしてその日の夜、

 

俺は次の日の仕事が

朝早かったのもあり、

 

先に寝ていました。

 

彼女はしばらくゲームなどを

していたみたいです。

 

それからしばらくして、

 

彼女もベッドに

上がってきました。

 

彼女は壁側を向いて、

 

俺と背中を合わせるようにして

寝たそうです。

 

次の日の朝、

俺は仕事だったので、

 

彼女を起こさず

仕事に向かいました。

 

昼頃、

 

職場で携帯を開くと、

彼女からなんと、

 

20件の着信履歴に、

10件のメールが来ていました。

 

「なんだこいつ、

気持ちワル・・・」

 

と口に出しながらも

電話をかけ直しました。

 

「もしぃ?

お前しつけぇよ。

 

仕事中に電話かけて来たって

出れねぇよ」

 

「まぁくん助けてよ!」

 

「は?何が?

まだ背中痛いの?」

 

「ってかさ、

 

ウチ等の隣の部屋って・・・

誰か住んでる?

 

「お隣りさん見たことないわ。

なんで?」

 

「ねぇ、引っ越そう?」

 

「はぁ?

わけ分からん!

 

とりあえず仕事終わったら

すぐかけるから!」

 

と言って電話をきり、

仕事に戻りました。

 

そして仕事も終わり、

 

彼女に電話をかけようとしたら

圏外だったので、

 

鬼ダッシュで帰宅しました。

 

家に着くと、

 

彼女は夕飯を作って

くれていました。

 

メシを食いながら、

 

彼女に何があったのかを

聞きました。

 

すると、

 

昨日の夜、

眠くなってきた彼女は、

 

ベッドに上がり壁側を向いて

寝たそうですが・・・。

 

しかしなかなか眠れず、

ふと目を開けると、

 

向いていた壁から、

 

上半身だけを乗り出した裸の女性が

こちらを見ていたそうです。

 

目を合わせないようにしていても、

目を背く事が出来なかったそうです。

 

いい年した女が、

泣いてすがってきました。

 

彼女は昔からよくストーカーや

痴漢の被害に遭っていたので、

 

一人で居るのが

かなり苦手だそうです。

 

それを聞いた俺は、

次の日に休みをもらい、

 

彼女が寝るまで

起きている事にしました。

 

彼女は疲れていたので、

 

ベッドに上がりしばらくすると

寝てしまいました。

 

・・・が、

 

今度は逆に俺がなかなか眠れず、

しばらくぼぉーっとしていると、

 

隣の部屋から、

 

『ピチャ、ピチャ、ピチャ、ズルッ』

 

と変な音が聞こえてきました。

 

いくら霊感が強くても、

奇妙な事があったら俺も当然ビビります。

 

なんか変だと思い、

寝ている彼女を起こしました。

 

情けないけど怖かったので。(笑)

 

寝起きでイライラしている

彼女に小声で、

 

「なんか嫌な予感するから

一緒に起きててよ!」

 

と言うと、

彼女はすぐに目を覚まし、

 

一緒に壁側を向いて

静かにしていました。

 

するとまた、

 

『ピチャ、ピチャ、ピチャ、ズルッ』

 

と聞こえてきました。

 

彼女も聞こえたらしく、

小声で、

 

「昨日もこういう音がしたから

隣に誰か住んでるか気になったの!」

 

と言った直後、

壁から人の吐息が聞こえてきました。

 

霊感はありますが、

 

霊には慣れていないので

マジでビビッていました。

 

すると今度は二人して

金縛りに遭い、

 

声が出ませんでした。

 

焦った俺は

一度彼女の顔を見ると、

 

彼女は壁の方から目を逸らさず、

目を大きく開いていました。

 

そして彼女の目線を追うようにして

壁を見ると、

 

彼女の話していた通りのモノが、

俺にも見えました。

 

本当に壁から上半身だけを乗り出して、

こちらを見ている裸の女性を。

 

しかも、

 

何故かメチャメチャ

睨まれていました。

 

気が付くと昼で、

彼女は先に起きていました。

 

「なぁ、やべぇな、あれ・・・」

 

「コクリ・・・(頷く)

 

「ってかさ、

俺久しぶりに夢見たの。

 

なんかさ、俺、

 

ピチャ、ピチャ、ズルッの音の

原因が分かった気がする」

 

「あたしも!」

 

?!

 

二人して同じ夢を見ました。

 

夢の中での視点が、

壁から上半身だけを乗り出した女。

 

つまり、

 

あの女が見ているものを

夢で見たのです。

 

内容はこうです。

 

(続く)同棲を始めた部屋での怪 2/2へ

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