女子トイレで遊んでいた小学校時代
小学生の時、
学校で『トイレの花子さん』が流行っていて、
放課後になるとよく女子トイレで
肝試しをしていた。
※トイレの花子さん(都市伝説)
「学校の校舎3階のトイレで扉を3回ノックし、『花子さんいらっしゃいますか?』と尋ねる行為を、一番手前の個室から奥まで3回ずつやると、3番目の個室から微かな声で「はい」と返事が返ってくる。そしてその扉を開けると、赤いスカートのおかっぱ頭の女の子が居て、トイレに引きずりこまれる」というもの。
これは花子さんの呪いなのか・・・
友達同士で色々とルールを決めて
やっていたが、
いつもそのルールを破る、
タカシという奴がいた。
一度、懲らしめてやろうと思い、
みんなでタカシをトイレの個室に
閉じ込めることにした。
ところが・・・
俺たちの中に裏切り者がいたらしくて、
タカシにそのことが事前にバレてしまった。
タカシは凄く怒っているだろうと思ったが、
怒るどころか、
少し俯いた顔で謝ってきた。
不思議に思った俺たちは、
何かあったのか訊いてみたが、
「なあ、おまえら・・・
アキラってどうしてるか知ってる?」
と、逆にタカシに質問された。
アキラというのは、
だいぶ前に引っ越した友達で、
俺たちとよくトイレで遊んでいた。
ルールにやたらとうるさい奴で、
タカシとよく喧嘩していた。
俺たちはアキラと離れてからは
連絡を取っていなかったから、
タカシには「知らない」と答えた。
するとタカシは、
「たぶんアキラ、このトイレにいるわ・・・」
と真顔で言う。
数年後の同窓会で分かったことだが、
アキラは引っ越してからすぐに、
喘息の発作で亡くなったらしい。
そう言えば俺たちの決めたルールの中に、
こんなのもあった。
『絶対に閉じ込めてはいけない』
もしかするとタカシはアキラを・・・
(終)