怖話ノ館(こわばなのやかた)
2014-12-20 05:00 [怖 7巻]
残業が終わると、時計は深夜2時を回っていた。
その日は会社に誰も残っていなかった。
左側のエレベーターのボタンを押した。
階数表示ランプが静かに点滅する。
35‥・・
30‥・・
25‥・・
私の会社のある20階までは少し時間がかかる。
エレベーターの扉が開いた。
この時間帯にしては珍しく、
人が数人乗っていた。
私は壁に寄りかかり、半ば眠りながら
1階に到着するのを待っていた。
不意に軽い振動があり、無言のエレベーターは
途中の13階で止まった。
私以外の人間はそこで降りた。
私も反射的に降りかけたが、
ふと目を覚まして思い留まった。
そして、帰りのタクシーの中で、
あることを思い出した。
左側のエレベーターは、
5の倍数となる階でしか停止しないはず・‥。
(終)
タグ:エレベーター, 会社, 残業, 深夜
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