うちの家族に敵対した人は不幸な目に遭う
つい最近、巷で本物と評判の霊能者に話を聞いたのだが、うちの家系は何かヤバイらしい。
あまりにも守りが強くて、うちの家族に敵対的な人物は『絶対に不幸な目に遭う』と言うのだ。
家族構成は、母と姉と俺の3人。
まずは俺の体験談から。
最初は偶然だろうと思っていたが・・・
高校生の時、クラスでもあまり目立たないよう頑張っていた俺に対して、地味な嫌がらせを続けていた連中が3人いた。
消しゴムのカスを投げ付けてきたり、体育着を隠したり、教科書を盗んだり。
俺は「鬱陶しいなぁ」と思いながらも相手にしていなかったのだが、ある日そのうちの一人が車に撥ねられて足を骨折した。
そいつはサッカー部で、ちょうど大事な試合があったが出られなかった。
それから2週間後、さらに別の一人が授業中に糸鋸(いとのこ)で指を切断する事故を起こした。
最後に残った奴は、その3日後に自転車でこけて腕を骨折した。
結果的に俺に嫌がらせをしていた連中3人は皆が大怪我をした。
おかげで、俺は『死神』という中二的な不名誉なあだ名を頂いてしまった。
次に母の体験談。
母はバリバリ仕事が出来る人だから、同じ職場にいる古株のおばさんに目を付けられた。
事あるごとに嫌味を言われたり、陰口を叩かれたり、ある事ない事を吹聴して回られた。
母は気分を害しつつも、大した実害もないので相手にはしていなかった。
しかし、そのおばさんは結婚して30年間ずっと夫婦仲が良かったというのに、母に嫌がらせを始めてから1ヵ月後に離婚したそうだ。
そのショックのせいで、おばさんは仕事を辞めた。
最後に姉の体験談。
姉には彼氏がいたのだが、少し受け付けない面があったらしく、半年程で別れた。
しかしその後、その元彼氏がストーカーと化してしまい、無言電話をかけてくるようになった。
姉は断固無視を決め込み、もしエスカレートしたら警察に通報しようと考えていた。
だが、1週間程で一切のストーカー行為がパタリとなくなった。
「諦めたんだな」と呑気に話していたが、実際はその元彼氏は自宅で死んでいた。
自殺なのか、病死なのか、死因は分からなかった。
これら家族の身の回りで起きた出来事はほんの一例だ。
俺も最初は偶然だろうと思っていたが、その後もうちの家族に敵対した人は、皆が何かしらの不幸に見舞われている。
それに、困ったこともある。
このような『相手に祟りを与える体質』は結構厄介なところがあり、自分の意思に関係なく発動されているのだ。
大した事もされず、なおかつ自分も気にしていなくても、相手が祟られていく。
そのせいで俺は人と関わるのが怖くなってしまい、バイトもおちおち出来ない状態だ。
日常生活で足を踏まれたりしてイラッとする事もあるが、もしかするとその人達も知らぬうちに祟っていたのかもしれない。
(終)
むむ、そのチカラちょっっと羨ましい。
悪用するつもりはないけど。