これからこのおうちにいいことがあるよ
3年ほど前の事。
家に一人で居ると、物陰やら天井裏から「ガタッ、カリカリカリ」という音が聞こえてきた。
最初はネズミかな?やだな・・・と思っていたが、どうやらネズミではない。
歩幅や感覚、音の大きさがデカイ。
ハクビシンか!?と慌てつつ、家に何か被害が無いかチェックしたところ、何もない。
仏壇のお供え物にも変化なし。
何なのだ?と帰ってきた家族と共に首をひねって考えていた。
実は、家族も一人で家に居る時に同じ現象が起きていた。
翌日の夜、さあ寝るかとベッドに横になっていたら、「おどろかせてごめんね。いごこちよかったの」と、たどたどしく猫が喋った。
しかし、うちは猫を飼っていないし、家の中に入れるような侵入経路もない。
呆然としてその猫を見ていると、「ごめんちゃい」とばかりに頭をぺこりと一つ下げ、「これからこのおうちにいいことがあるよ」と一言告げて、しゅるりと透明になった。
肉球の足跡を一つ残して・・・。
翌週、ジャンボ宝くじで2等が当たった。
現在も物音は続いており、先日はその幽霊猫さんは祖母と一緒に眠ったらしく、「モフモフして温いのに不思議と暑くなかった」と祖母は幸せそうに語っていた。
座敷童ならぬ『座敷猫』のお話でした。
(終)
喋 る 猫 が 居 る 幸 せ
大前提として、それが既にいいことだ(猫の奴隷