枕元で掴んだ「ムニッ」とした感触のもの
どうしても真相が知りたくて・・・。
先日の事です。
その日は妙に寝苦しい夜でした。
私は寝返りを打つと共に、腕を頭の上へやりました。
これが私の寝やすい体勢なのですが、この時に私の手のひらが何か「ムニッ」としたものを捉えました。
その時の私は半分寝ていたので、「何だこれ?」とは思いつつも、どうでも良い感じでそのまま寝転がっていました。
けれど、その何かが「ムニムニッ」と蠕動したところですぐに覚醒しました。
※蠕動(ぜんどう)
身をくねらせてうごめきながら進むこと。
そこにはもう何も居なかった
ぱっと手を離し、電気を点けて枕元を見るも、何も居ません。
ベッドの周辺や積み上げていた本の辺りも見てみましたが、それらしいものは見当たりませんでした。
昔、芋虫やナマコなどを触ったことがありますが、そのような感触とはまた違った感じでウネウネとしていて、物体の周囲に静電気的なものを感じたような気がします。
過去に、今は亡き叔父から聞いた話です。
居間を歩いていたら何も無いところで顔が柔らかいものにぶつかり、手を伸ばすと手のひらサイズの何かがそこに居たそうです。
それは柔らかく、モゾモゾと動いていたと言っていました。
叔父は驚いて手を離してしまい、再び触れようとするも、そこにはもう何も居なかったそうです。
変なものを掴んでしまった夜、この叔父の話を思い出し、私は叔父と同じ体験をしたんじゃないのかと思いました。
そしてよくよく考えると、過去にも同じような事があったような気がして、その事を友達に話しました。
すると、「去年、寝ている時に、耳の穴に何か柔らかいものが入って来ようとしていて引っ張り出した、とか言ってなかった?」と言われ、その事を思い出しました。
その時もウネウネとした物体が耳の中に入って来ようとしており、寝ぼけたままそれを引っ張り出したように記憶しています。
そのまま手に持ってぼーっとしていたのですが、それが何なのか気になり、段々と目が覚めていきました。
電気を点けて見てみようとハッキリとした意識を持った時には、その物体はすでに私の手の中には居ませんでした。
私も私の叔父も体験したことなので、もしかしたら他にも体験したことがある方がいらっしゃるのかも知れません。
(終)