心霊相談を受けていた霊感のある同僚
これは、霊感のある同僚から聞いた話。
同僚の佐藤に自分が幽霊にさらわれそうになった時の話をしてみたら、お返しに色んなオカルト体験を話してくれた。※名前は仮名
「俺は祓ったりは出来ないけど、見たり感じたりすることは出来る」、そう前置きしたうえで。
テレビの怪談スペシャルで見るような壮絶な体験談を色々と聞いたが、一番印象に残ったのはこの話だった。
素人が心霊相談を受けても
佐藤が『みえる人』だと知って、知り合いや友達が心霊相談をしに来る時期があったという。
大抵は何も憑いておらず「何もないよ」で帰していたのだが、非常にヤバそうな影を背負っている人が一人いた。
佐藤は正直に、「確かに霊みたいなのが憑いている。気休めにしかならないけど塩あげるよ。不幸が続くようなら本格的にお祓いしてもらいな」と言って、一握りの塩をあげた。
それから1年後、その相談者から電話があった。
「なんかあの塩持ってるのばかばかしくなっちゃってさ、捨てていい?」
「ただの気休めって言ったじゃん。捨てていいよ(笑)」
そんなやり取りをしたの次の日だった。
相談者は首都高で壁に突っ込んだ。
車は大破して複数個所を骨折するも、命は無事だった。
後日、相談者から再び電話があった。
「ごめん、もう一回あの塩くれない?」と。
しかし佐藤は、「いや、俺があげたのは清めの塩とかじゃねぇし。塩が欲しけりゃその辺のスーパーで買えよ(笑)」と返した。
この一件以降、素人が心霊相談を受けても何にもならんと実感した佐藤は、全ての相談を断るようになったそうだ。
しかし佐藤よ、俺はお前には『祓う力』もあるように思えてならないのだが・・・。
(終)