幼い頃によくあった不思議な心霊体験談
これは母から聞いた、私がまだ3歳頃の話です。
母によると、私は昔から胃腸の弱い子供だったようで。
小さな子供用のパックに入ったジュースでも一気に飲むとお腹を壊すので、何度かに分けて飲ませていたそうです。
それでもやっぱり子供なので、私は「もっとたくさん飲みたい」と駄々をこねたりしていました。
ある日、私と母の二人で家に居た時のこと。
ジュースを冷蔵庫に入れておいても私が扉を開けて勝手に飲んだりするので、困った母はジュースを冷蔵庫の上の方に置いてみたそうです。
そうして母がジュースを飲めずに駄々をこねる私から目を離し家事をしていると、さっきまで駄々をこねていた私が急に静かになりました。
不思議に思った母がリビングに戻ってみると、先ほど冷蔵庫の上の方に置いたジュースを私が美味しそうに飲んでいだのだそうです。
当時うちにあった冷蔵庫は、よくある一般的な大人の背丈ほどの大きさのもので、その上の方に置いてあるジュースを3歳の私が取って飲めるはずがありませんでした。
母が「そのジュースどうしたの?」と聞くと、私は「取ってもらった!」と嬉しそうに言うので、少し怖くなった母は恐る恐る「誰に?」と続けて聞くと、私は迷うことなく「おばけ!」と答えたそうです。
母いわく、その日は生きた心地がしなかったそう。
でも、「きっと優しいおばけさんだったんだろうね」と言っていました。
余談ですが、母によると小さい頃の私はそういった出来事が度々あったようです。
例えば、母と二人で親戚のお見舞いに行った病院の誰もいない廊下で、「怖い人がたくさんいるから帰ろう!早く!」と泣きじゃくったり、一人で誰もいないところに向かってボールを投げたりするのを何度か見たことがあるとのことでした。
私自身が一つ覚えているのは、4つ下の妹のことです。
それは妹が3歳くらいの時でした。
親戚の家から帰る車内の後部座席で、妹が突然後ろに向かって「バイバーイ」と手を振り出しました。
それを見た私は、後ろの車の人に手を振っているのかな?と、その時は思いました。
しかし後で聞いてみたら、「海の中からたくさんの人がこっちに手を振ってたから振り返した」とのことでした。
ただ、そこは海なんてない内陸の田舎町で、この時は私も小学生だったのでビクッとなって怖くなったのをよく覚えています。
幼い頃の私たち姉妹は、度々母を怖がらせていたようです。
ごめんね、お母さん。
私も妹も、二人とも大人になった今は立派な零感になりました。
というより、幼い頃のそんな不思議な体験は全く覚えていません。
子供の頃はそういうものがよく見える、というのは本当なのかもしれません。
(終)
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