私は人形が大の苦手。そのワケは・・・
これは、『人形』にまつわる怖い話。
私は人形が大の苦手で、人形のいる部屋でご飯が食べられないし、雑誌の写真やテレビに映るだけでも嫌で、触れるなんてことはもってのほか。
以前まではディズニーランドや人形の多い場所に行くだけで具合が悪くなっていた。
自分ではどうしてそんなに人形がダメなのか分からなかったが、母にある写真を見せられて思い出した。
キレた人形
その写真は、幼い頃の私がポポちゃんのような人形を持ちながら大泣きしていて、傍らには姉がいる、そんな感じだった。
それを見た私は凄くゾッとするものを感じた瞬間、当時の光景が頭の中でフラッシュバックされた。
最初は姉と人形遊びをしているのだが、姉が母に呼ばれてどこかへ行った時、人形が動き出して私の髪の毛を引っぱり出した。
私も負けじと人形の髪の毛を引っぱって応戦するが、人形はキレてしまい、さらに噛み付いてきた。
そして人形が何か恨み言のようなものを私に浴びせて、これは敵わないと思った私は姉を呼んで助けてもらう。
誰かに言っても信じてもらえないし、姉も覚えていない。
母が言うには、「あんた、あの時はすごく泣いて大変だったのよ」とのこと。
なぜ人形はそこまで私を恨んでいたのか?
思えば私はかなりのワガママ娘で、人形でも何でも粗末に扱っていた。
気に入らないことがあるとワーワー騒ぎ立てて、地面に寝転がるほどの手がつけられない子供だった。
そんな私に両親と姉は手を焼いていて、とにかく大変だったらしい。
ひな祭りの時には、お内裏様か誰かの刀を拝借してチョコレートを刻んだ後、チョコがべったり付いた刀を洗いもせずに鞘に収めたりした。
そんなことが多々あり、人形が「あの娘をちょっと懲らしめようぜ!」となったのかなと思っている。
その後、私のワガママは徐々になくなっていき、妹も生まれてお姉さんらしくなった。
でもやっぱり人形は苦手だ。
(終)