母の喫茶店で起きた気味悪い出来事
これは、母が経営していた喫茶店での話。
その店には、決まった時間に毎日コーヒーを飲みに来る常連さんがいた。
でもその日は突然「トイレ貸してくれ!」と入って来るや、コーヒーを飲まずに帰ってしまった。
その常連さん、その直後に近所のビルから飛び降りて亡くなられた。
どうして自殺したのかは未だによく分からないらしい。
のちに「人に騙された」と噂で聞いたが、定かではない。
それから間もなく、店で不可解なことが起きるようになった。
それは、客が「誰かがトイレに入って出て来ないから入れない」と度々言われるようになったそうだ。
だが、トイレを開けると誰も居ない。
でも人がトイレに居る気配を感じるのだ。
俺もその喫茶店でバイトをしていて、何度も気配を感じたから間違いない。
仕方なく、高い金を出して御祓いをしたが、効果はなかった。
じきに悪い評判も立ち、気味悪いこともあって半年後に店じまいをした。
その後、居抜きで売りに出したら直ぐにスナックが借りてくれたが、わずか2ヶ月で閉店した。
それからも、どんな商売をやっても直ぐに潰れた。
ちなみに、母はそこで15年も商売をしていた。
立地も良かったのだが・・・。
(終)