ドアの向こうから感じる気配

ある晩の事です。

 

ドアの向こうに、

何か気配を感じました。

 

僕は一人暮らしで、

 

誰も泊まりに来ていないので、

僕一人しか居ません。

 

でも、なぜかドアから

気配を感じるのです。

 

(なんだか怖いな・・・)

 

と思いながらも、

 

僕はドアに近づき、

思いっきりドアを開けました。

 

・・・誰も居ない。

 

(気のせいか・・・)

 

僕はほっとして、

 

またドアを閉めて、

PCの前に座りました。

 

その時でした。

 

ガチャッ・・・、

ガチャガチャッ・・・。

 

ドアから音が聞えます。

 

心臓はバクバク言っています。

 

ドアを見ると、

 

ドアノブが上下に激しく

動いているのが見えました。

 

さっきドアを開けた時は、

間違いなく誰も居なかったのです。

 

僕はPCも電気も点けっぱなしで

布団に潜り込みました。

 

ガチャガチャと、

ドアノブは激しく動いています。

 

布団を頭から被り、

僕はじっとしていました。

 

 

様子を伺おうと

布団から顔を出すと、

 

PCの画面に大きな女の人の

顔が映っていました。

 

その目は真っ黒でした。

 

なんかヤバイと思い、

僕はまた布団に潜り込みました。

 

気を失ったのか、

ただ単に眠ってしまったのか・・・。

 

そのまま浅い睡眠状態に

なっていたようで、

 

目が覚めると、

夜中の三時を回っていました。

 

僕は、ゆっくりと

布団から出ました。

 

PCの電源は、

入ったままでした。

 

ですが、

 

しばらく操作していなかった為か、

画面は真っ暗でした。

 

それより怖かったのは、

 

点けっぱなしだった電気が

消えていた事でした。

 

電気のヒモを引っ張り、

部屋の明かりを点けました。

 

部屋には特に

異常はありません。

 

僕は恐る恐る、

PCに近づきました。

 

ドキドキと、

心臓が高鳴ります。

 

マウスを動かして、

PCの画面が点いた時、

 

またさっきの女の人の顔が

出てきたら怖いからです。

 

ですが、電源を切るにも、

一旦は操作しなければいけません。

 

強制終了という手もありますが、

出来れば避けたいもの。

 

僕は勇気を出して、

マウスを動かしました。

 

PCには、mixiの画面が

映し出されました。

 

ほっとしました。

 

僕はPCの電源を落とし、

お茶を飲もうとしました。

 

そして固まりました。

 

ドアが少し開いていて、

 

さっきPCの画面に映っていた女の人が、

そこから僕を睨んでいたからです。

 

そこで僕は、

また気を失ってしまいました。

 

その後も、僕はこの部屋に

住んでいますが、

 

あの女の人を見たのは、

あれ以来ありません。

 

もしかしたら、

 

あれは夢だったのかも知れない、

と思いたいのですが・・・。

 

どうも、夢にしては

リアルなのです。

 

またいつ、あの女の人を

見てしまうかのか・・・。

 

そもそも、あの女の人は

一体誰なのか?

 

何もかも謎のままです。

 

(終)

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