生霊の存在を信じるようになった出来事

ロボット

 

幼稚園児の頃にあった話。

 

当時流行っていたロボアニメのおもちゃを

父親が買ってきてくれた。

 

その翌日の幼稚園の帰り、

いつも一緒に遊んでいた友達を家に呼んだ。

 

父親に買ってもらったロボットのおもちゃを、

さっそく友達に見せびらかしたが・・・

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目の前で起きていた不思議な光景とは・・・

すると、その友達は大喜びし、

 

そのおもちゃのサイレン音を鳴らして

夢中に遊び始めた。

 

でも俺は・・・

 

父親に買ってもらったばかりのおもちゃを

乱暴に振り回され腹が立ち、

 

その友達からおもちゃを取り上げた。

 

結局、それからは喧嘩になって、

その友達は帰っていった。

 

母親が買い物に出掛けていた為、

俺は家に独りぼっちとなってしまった。

 

その時すでに夕方の5時を過ぎていて、

外はかなり暗かったと思う。

 

・・・しばらくすると突然、

 

さっきまで友達と遊んでいた2階の部屋から、

おもちゃのサイレン音が聞こえてきた。

 

このサイレン音を鳴らすには、

 

おもちゃのボタンを押し続けなければ

鳴らない仕組みだった。

 

友達は拗(す)ねて帰ったので、

俺以外は家に誰も居ないはずなのに・・・

 

怖くなった俺は庭へ出て、

母親の帰りを待つことにした。

 

しばらくして母親は帰ってきたが、

その時すでにサイレン音は鳴り止んでいた。

 

でも俺は母親にさっき起こった事を話し、

 

バット片手に母親の後ろに付いて

2階の部屋へ向かった。

 

母親が部屋のドアを開けると・・・

誰も居なかったが、

 

何故かおもちゃのモーターのスイッチが

ONになっていて、

 

部屋の隅の壁めがけてカラ走りしていた。

 

母親はただただ不思議そうにしていたが、

俺は”オバケの仕業”だと思って怯えていた。

 

すると、父親が仕事から帰ってきたので

その事を話してみると、

 

「○○君(友達)がおもちゃで

遊び足りんかったんちゃうか?」

 

「○○君の魂だけひょっこり家へ

遊びに来たんちゃうか?」

 

みたいなこと言われて、

子供心に怖かった。

 

そして翌朝、

幼稚園でその友達に会うなり、

 

「きのうはゴメンな」

 

「こっちこそゴメンな」

 

「よかったら、きのうのロボ貸そうか?」

 

「ううん、もういいよ」

 

「なんで?」

 

「あの後、いっぱい遊んだから」

 

生霊って本当にいるんだなと思った。

 

(終)

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