鳥居の前でショボンリして待っている御狐様
1年くらい前の事になる。
俺と嫁と娘、そして義妹の4人で一泊二日の旅行に行った。
その時に泊まった旅館で霊体験をしてしまったわけだが・・・。
帰る前に、「念のため御祓いをお願いした方が良いかも」と義妹が言うので、義妹の先導で旅行先の土地にあった神社に向かった。(義妹はバイクで俺たち家族は車)
境内に入ると、ちょうど神主さんらしき人が掃除しており、人が来たことに気付いてこちらを向いた。
最初は「あれ?」という顔をしていたが、いきなり「ブブッ!!」と噴出し、慌てて顔を背けるが肩を震わせて笑っていた。
お腹の辺りに額を擦り寄せている
俺と嫁は、「え?なに?人を見て急に笑うとか失礼じゃない?」と思っていたが、義妹だけは苦笑しながら「この神社で正解だわ」とか言っている。
義妹が神主さんに事情を話して御祓いのお願いをしたが、「いや、それは必要ないですね」となり、結局は何もしなかった。
しかし、神主さんが「義妹と少し話がしたい」と言い出し、社務所に通されてお茶を頂くことになった。
その時の会話が・・・。
神主「鳥居の前で待っている御狐様は貴女の守護なんですね。うちの御狐様に遠慮されたのか鳥居の前で待ってらっしゃいますけど、ションボリ(´・ω・`)という顔で貴女を見てましたよ」
義妹「あははは(笑)凄く残念ですけど、私自身は普段見えないんです。でも、夢で会ってます。会うのは大抵私が風邪とかで寝込んだ時なので、いつも大丈夫?(´・ω・`)という顔なんですが」
・・・という感じだった。
俺は当然だが、姉である嫁もそんな話は聞いたことがなかったらしくて、めちゃくちゃ驚いていた。
30分くらいそんな感じで話した後、神主さんが鳥居まで見送りに来てくれたが、義妹が一番最初に鳥居をくぐると、「和むなぁ」という顔をして笑っている。
俺も嫁も霊感ゼロだから、「どうかしたんですか?」と神主さんに聞いたら・・・。
「義妹さんの御狐様が、義妹さんのお腹の辺りに額を擦り寄せているんですよ。本当に義妹さんのことがお好きなんですね」と言う。
霊感ゼロなのを、ここまで残念に思った事はなかった。
義妹がそういう感覚に優れていて何回か助けてもらったが、「まさか神様が守護についてるとは思わなかった」言うと、「神様とはちょっと違う。正確には神使だよ」と言っていた。
※神使(しんし)
神道において神の使者(使い)もしくは神の眷族で、神意を代行して現世と接触する者と考えられる特定の動物のことである。(Wikipediaより)
(終)
いいなぁ。和む。
和むし、管理人さんが注釈入れてくれてあんの読み易いです。ありがとうございます