突然泣き出したじいちゃん、そのワケは?
今年の正月、じいちゃんに会った時の話。
じいちゃんの家を8年ぶりくらいに訪ねた。
じいちゃんは玄関までわざわざ出てきてくれた。
俺は「じいちゃん、久しぶり~」と声をかけると、じいちゃんは急に膝を崩して泣き出した。
久しぶりだからって大袈裟だなぁ~なんて思ったが、そうではなかった。
この話が事実だとしたら・・・
これは、じいちゃんの口から語られたことだ。
それは70年くらい前、まだ戦前でじいちゃんが15歳くらいの時だった。
まさに今の格好をした俺に出会ったことがあるという。
夏の雑木林で、黒いコートに黒いジーパン姿の男。
今の俺と同じ服装をした男が立っていたそうだ。
夏なのに冬の厚着をしていたが、小奇麗な格好をした男だと思ったらしい。
当時ならオシャレに見えたかもしれないが、現在では黒づくめなんて単なるオタクファッションだ。
その俺らしい男は、少年だったじいちゃんに「じいちゃん、久しぶり~」と言うと、そのまま雑木林の奥に消えていったそうな。
当時のじいちゃんは、「なんのこっちゃ?」くらいに考えていたようだ。
しかし、現在の俺と会ったことでその記憶が蘇り、思わず涙が零れたという。
おそらくだが、じいちゃんが歳をとってしまって記憶がごちゃ混ぜになっているのだろう。
でもこの話が事実だとしたら、俺はそのうち『タイムリープ(時間移動)』のような経験をするのか?
それとも映像だけが過去に飛ぶのか?
何にしても不思議な話でワクワクした。
(終)
なんか似たような話あったな。
戦地で黒いカッパを着て黒いこうもり傘を持った男が…
みたいな。