プランタン難波にまつわる怪奇な体験談
これは、妹の友達が大学生の時に体験した話。
開店当時の『プランタン難波(大阪)』に、彼女は喫茶店のアルバイトの応援にいきました。
その日はとても忙しくて、仕事が終わったのは“夜の10時頃”だった。
喫茶店があった4階のフロアに残っていたのは彼女と店長だけで、服屋の緑色のカバーだけが目についた。
消えた店長
二人はゴミ袋を持って1階に下りようと思い、唯一動いている業務用のエレベーターを探した。
だが、一向にエレベーターも階段も見つからず、目に入るのは服屋のカバーだけだった。
角を曲がっても曲がっても緑色のカバーばかり・・・。
これも後から考えるとおかしいのだが、途中で4人くらいの人に業務用のエレベータがどこにあるのかを聞いたという。
エレべータの場所が分からないのはおかしいと思いながら、疲れているし、帰りたいの一心で、二人は歩き続けたそうだ。
そしてようやく彼女が「エレベータだ!」とその前に立った時、後ろにいたはずの店長がいなかった。
本来なら待つか捜すかするのだが、彼女はあまりにも疲れていたので、一人でエレベーターに乗り込んで1階のボタンを押すと、中でへたり込んでしまった。
エレベーターは1階に着き、やっと帰れると思った彼女が時間を確認すると、なぜか“朝の5時”になっていた。
その後、彼女は始発の電車で帰宅したという。
翌日に店へ電話をすると、あれから店長はいないという。
そして1ヶ月後にバイト代を取りに行った時、「店長は失踪した」ということになっていた。
店長はどこへ行ってしまったのか?
あの日の夜にあったことをよく考えてみると、エレベーターの場所が分からないのもおかしいが、みんな帰っているはずのフロアに人がいるのもおかしい。
もし会うのなら警備員くらいだ。
あの時、エレベーターの場所を尋ねた4人の人たちの顔を思い出すと、青白くて瞬きもせず・・・、今でも気持ちが悪い。
二人とも疲れていたので、気にしながらも双方が口にしなかったが、とても気持ちの悪い人たちだったそうだ。
そして、店長のその後は彼女も知らない。
大阪のプランタンといえば、あの大勢の犠牲者が出た千日前デパート火災の跡地に建てられた建物で、火災で亡くなった霊がよく出るらしいという噂がある。
元は墓場だったそうだ。
あの日、彼女は一体どこを歩いていたのか。
そして、店長は一体どこを歩いているのか。
ちなみにその場所は、現在ではビッグカメラになっている。
(終)