悪い夢を見てしまう部屋がある
私の実家は群馬県にあり、かなり親戚の多い家系。
そして本家は古くて大きな日本家屋で、その中の和室の一つに、こんな噂のような話がある。
『その部屋で寝ると必ず悪夢を見る』
具体的なその悪夢の内容は、夢の中に包丁を持った変な婆さんが現れて、延々と説教をされるのだという。
もしその説教を中断させたりすると、持っている包丁で刺されるらしい。
ただ、それで本当に死んでしまったりとかは今のところないらしいが、刺されると”痛い”という。
盆暮れ正月に親戚が結構な数集まるので、それにまつわる話を多くの人に聞いてみると、面白半分で寝てみて悪夢を見たという人がわりといた。
延々とお前の親父はろくでなしだと言われたり、家の間取りが悪いというようなことを延々と言われて、説教に飽きてブッとおならをしたら刺されたとか。
お前はとにかくダメだと言われ続けた人も。
しかし不思議なことに、その婆さんが何者なのかは誰も知らない。
67歳になる叔父さんに聞いてみたが、「あんなババァ知らん」と言われた。
なので、婆さんの正体は依然として謎のままだ。
(終)
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