人の死相が見える看護学生
これは、以前に勤めていた病院での話。
当時、「死相が見える」という看護学生がいたことがある。
先が短い患者さんや、具合が悪くなりそうな患者さんを見ると、その人に付いて回る黒い影のようなものが見えるらしい。
曰く、頭上や顔に黒い影がぼんやりとかかっているという。
この学生の死亡予告は本当によく当たるのだが、そんな事は患者さんのカルテを読んだり顔色を見たりすれば大体は予想できるだろうとなり、最初は誰もまともに相手にしていなかった。
だがある時、入院している患者さんのお見舞いにやって来られた、ものすごく健康そうな女性を見て、この学生が急に「やばい、あの人まずいわ・・・」と言った。
何の事だろう?と思っていたところ、しばらくしてその女性が体調不良で検査入院して来られ、数週間後に手遅れのガンで亡くなった。
この時はみんな本当に驚いて、以降は信じざるを得なくなった。
(終)
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