死期や死相を感じ取れる先輩
これは、会社の先輩の話。
私の家へ遊びに来た先輩に、自分の高校時代の卒業アルバムを見せながら、台所に飲み物を取りに行って部屋に戻った時だった。
先輩がコーヒーをすすりながら卒業アルバムの中の人物を指差して、「この子、亡くなってるね」と言った。
確かに、その人物は既に亡くなっている。
高校卒業後、事故で亡くなっていた。
先輩いわく、写真から”死相”のような何かを感じたという。
霊感はないらしいが、死期や死相だけは感じるものがあるそうで。
そんな先輩が今年に入ってから、写真撮影を極端に嫌がる時期があった。
社内行事でもカメラを向けると逃げる。
歓送迎会、忘年会などの集合写真にも絶対に入らない。
社内報の記事でも、写真を頑なに断わり、文字だけの紹介で終わっていた。
それから少し過ぎた頃だった。
出張から戻ると、先輩が心筋梗塞で亡くなったことを聞かされて驚いた。
写真を撮るのを断わり続けた理由と死が関係あったのだろうか。
今となってはわからないが・・・。
(終)
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