狐火に出くわすと弁当が盗られてしまう
これは、友人が体験した怪異話。
バーベキューに誘われたので、参加することにした。
差し入れとして、途中のコンビニで飲み物と肴を買っていく。
そうして会場のキャンプ場へ向かう峠道に差し掛かった時だった。
まだ昼間だというのに辺りが急に暗くなり、前方に何か”光るモノ”が沸いて出た。
火の玉が幾つか、ゆらりと宙に浮かんでいる。
驚いていると、現れた時と同様、サッと火の玉は消えてしまった。
おかしなモノを見たなと思いながら、山中のキャンプ場に到着した。
皆に「途中で火の玉を見たぜ!」と報告すると、一人がこんなことを言う。
「あそこの峠道、昔から狐火が出るとは聞いていたが、まさか仲間で見るヤツが出るとは…。出くわすと弁当が盗られてしまうって話だが、お前、何か失くなってないか?」
慌てて荷物を確認すると、肴の類がすべて空になっていたという。
(終)
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