本物の霊能者はいると確信した出来事
これは、霊能者にまつわる話。
霊能者は本物同士だと同じことを言う。
私には年の離れた姉が二人いて、長女姉と次女姉は二人とも子持ち。
数年前、次女姉が霊能者の爺さんと知り合いになった。
明るい爺さんで、家に招いて家族とその友達も呼び、ご飯を食べながらワイワイとオカルト座談会のようなものをやっていた。
その時、爺さんは黙って帰ろうとしたけれど、次女姉が”爺さんが何かを隠している”のを見抜き、問いただした。
すると、長女姉の娘(私の姪)に「未発動の呪いが憑いている」と白状した。
爺さんは霊能者としての立場を貫いているらしく、「質問されたり依頼されたりしない限り、自分からは何もしない」と。
赤の他人にいちいち首を突っ込んでいられないように思った。
玄関先まで見送りに来てその話を聞いていた姪は、驚いて目をひん剥いていた。
それを見た爺さんは姪の頭を軽く撫でるような仕草などをして、「じゃあ~ね」と言って笑顔で帰っていった。
呪いを消してくれたのかな?
姪は、驚きと混乱で少しだけ泣いた。
それから数年後、長女姉(姪の母親)からこんな話を聞いた。
呪いが憑いていた姪の通う学校に、少し変わった先生が赴任してきたそうで。
そして会ってもいないのに、長女姉の性格をやたら言い当てたり、授業中にこの世とあの世の仕組みのような解説を始めたりするらしい。
その先生が赴任して間もない頃、姪に「呪い、取ったんだ。でもね、呪いの念が取り切れないで少し残っているようだから取っておくね」と言って、姪の頭を撫でるような仕草をされたという。
爺さんの時と同じことを言われた上に、同じ体の箇所の頭で似たような仕草をされて、姪はもう「ポカーンとなった」と言っていた。
この二人に関係があるとは思えないし、姪のこと以外でも、二人の話は色々と合致しているそうで。
それに、この話には直接関係ないけれど、私の友達周りに宮内庁でオカルトチックな仕事をしている霊能者がいて、その人が言うことも大体同じだと。
インチキも多いから気を付けた方がいいのは勿論だけれど、姪の一件は『本物の霊能者はいる』と確信した出来事だった。
(終)