15年ぶりに実親の元に帰された少女
テレビで小学6年生の少女誘拐事件の報道を見て、思い出した話がある。
ある家の2歳になる少女が誘拐された。
身代金の要求が一度あったものの、その後は犯人からの連絡は絶え、少女は殺されたものとして警察は捜査を終えた。
それから15年程が経った頃、ある夫婦が詐欺行為で逮捕された。
そして、その家の娘を調べてみたところ、なんと15年前に誘拐された少女だった。
夫婦曰く、誘拐したものの情がわいてしまい、そのまま育てていたという。
夫婦は刑務所に入れられ、少女は産みの両親の元へ帰された。
ところが、少女は突然現れた『実親』というものを受け入れることが出来ず、こう訴えた。
「私のママとパパは今刑務所に入っている人だ。毎日私のために美味しいご飯とお菓子を作ってくれた優しいママと、頭の悪い私のために一緒に学校の宿題を解いてくれた優しいパパだけだ」と。
本当の両親がこの15年間どれだけ少女を想っていたかを伝えても、少女は一切受け付けず、両親にこう言った。
「私は18歳になったらこの家を出て行く。私の両親は、あの二人だけだから」と。
(終)
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