未確認巨大生物「クッシー」
北海道弟子屈町の
屈斜路湖(くっしゃろこ)では、
未確認巨大生物「クッシー」が
目撃されている。
有名なイギリスのネス湖に生息する、
ネッシーにならって名づけられた。
目撃証言以外にも湖面の波紋など、
いくつかの写真にも収められているが、
正体は不明とされている。
湖面の美しい屈斜路湖における
神秘性の高い話題として、
地元では観光資源の一つとも
なっている。
日本の未確認巨大水棲生物でも、
イッシーと並び、
かなりの知名度を誇る
未確認生物だが、
2000年代以降は目撃されることが
ほとんどない。
地震の影響で、
pH(水溶液の性質)が酸性に
大きく傾く以前の屈斜路湖では、
魚類が豊富生息しており、
2メートルほどもある良型のイトウが、
沢山泳いでいたといわれる。
このことから、
クッシーの正体は
大きなイトウではないか、
という説が唱えられている。
否定派がクッシーの存在しない
根拠として、
屈斜路湖に大型の生物が住むには、
餌となる魚が不足していることを
挙げている。
屈斜路湖がカルデラ湖であり、
酸性湖となっているため、
魚類が乏しいこと、
また、
1938年の屈斜路地震で
湖底から硫黄が噴出し、
pH4前後まで酸性に傾き、
魚類はほぼ全滅したことなどを挙げ、
近代になって
マスが放流されたとはいえ、
とても大型生物が住める
環境ではないとしている。
だが、興味深い伝説として、
アイヌ民族の伝承があるのも
事実である。
屈斜路には、
大昔から巨大な主がいることが
先住民族たちの間では知られており、
湖近郊の酪農家も、
クッシーが有名になる以前から
謎の巨大生物を目撃していた。
クッシーの存在が1970年代まで
知られることがなかったのは、
屈斜路湖の怪物の存在を
口外することがタブー
とされていたからで、
もし誰かに語るならば、
災いが起こると恐れられていた。
屈斜路湖で地震が起こる度に、
誰かがタブーを犯して怪物のことを
口外したと人々は恐れ、
マスコミが取り上げるまでは、
クッシーの話が広まることはなかった。
先住民族の間で、
しかもマスコミによって
話題になる以前から
巨大生物の目撃情報があり、
それが伝承として
言い伝えられてきたことは
紛れもない事実であり、
それが1970年代まで
守られてきたことは興味深い。
もしかすると、
クッシーは単なる伝説上の
生き物ではなく、
実際に存在するのかも知れない。
(終)