同じ現場で同じ様な通報が最近多い
そこへは知り合いの仕事の手伝いに行ったのだが、そこの店主から聞いた話。
いわゆる”被災地”と呼ばれている場所で、店主の姪がとある海沿いの会社で事務の仕事をしている。
数日前、姪が店に遊びに来た時に店主は聞かされたそうだ。
いつものように仕事をしていると、警察から電話があった。
「オタクの会社に山下さん(仮名)という運転手いる?今は署に居るのだが、誰か来てくれないか?」というような内容。
そして、何故か姪が迎えに行くことになった。
警察署に着くと、山下さんが「人を轢いてしまった・・・」と真っ青だった。
山下さんの証言によると、轢いたのは30~40代と思しき男性らしく、「(轢いてしまったのは)間違いない」と言い張っていた。
しかし警察曰く、現場には被害者どころか人を轢いたような痕跡も何も無いそうで、挙句に「山下さんって今まで普通でしたか?(精神科に通院していたとか妄想癖があったとか)」という質問をされる。
姪は「普通でした」と答えると警察は、「・・・実はですね、同じ現場で同じ様な通報が最近多いんですよ」と切り出してきたそうな。
残業等で帰りが遅くなった人達からの通報らしいのだが、「夜も遅い時間なのに数人の子供たちが(その現場付近で)遊んでいる。保護して」という通報も多くあるそうで。
俺はあくまで一つの事例を聞いただけに過ぎないが、見知らぬ人同士から似たような内容の通報を多数受ける警察署では不気味でしかないだろう。
(終)