奇妙な連続惨事が起こった3年2組
これは、私が小学校3年の3学期の時でした。
今からおよそ12年も前のことですが、私のクラス3年2組に『奇妙な連続惨事』が起こったのです。
最初の犠牲者は山根君でした。※以下、名前は全て仮名
普段はとても元気だった彼ですが、3学期に入ると突然身体の調子がおかしくなり、1ヶ月の入院をすることになってしまったのです。
内臓の病気ということでしたが、最後まで原因は不明でした。
3年2組は祟られていた?!
次の事件は、山根君が退院したちょうどその日に起こりました。
今度は井上君が急性盲腸炎で入院したのです。
山根君とは違って、井上君は盲腸だということがはっきりしていました。
クラスのみんなは、「よりにもよって山根君の退院の日に・・・」と残念がりましたが、気味が悪いといった風にはまだ誰も感じていなかったように思います。
冗談で「次は誰の番だ?」などと言って遊んでいた男子もいました。
ただの偶然だと、みんなが思っていました。
ここで終わっていれば・・・。
次の犠牲者は女子の神埼さんでした。
彼女も井上君がちょうど退院した日に、階段から落ちて頭を縫うケガをして入院することになりました。
さすがに3人もこういったことが続くと、みんな気味が悪くなり始め、学校を休む子も出てきたほどです。
学校側からも、登下校時にはくれぐれも気を付けるように、という注意が出ました。
しかし、3番目の神埼さんが退院したその日に、今度は小泉君が酷い交通事故に遭ってしまったのです。
結果的には彼が一番酷い犠牲者でした。
足がグチャグチャになってしまったそうで、3学期中に彼が退院してくることはなかったのです。
ですが、これが最後の事件ではありませんでした。
最後の犠牲者は野尻さんという女子で、彼女も交通事故に遭いました。
春休みに入ってすぐのことです。
しかし、誰もが「何故!?」と思いました。
まだ小泉君は退院していないのに。
後で分かったことですが、小泉君は手術を終え、この日に整形外科の病院へ移っていたのです。
外科の病院を退院して・・・。
さすがに何かあると思ったのか、担任の先生が春休み中にクラス全体のお祓いに行ったそうです。
そして4月、新学年となってクラスも変わったこともあり、この奇妙な連続惨事はパタリとやみました。
何かの祟りであったのかどうかも、もう今となっては分かりません。
実は、3番目の犠牲者となった女子というのが私なのですが、事故の瞬間は今でも忘れられません。
いつもの慣れた階段だったのに、どうして踏み外してしまったのか、不思議でなりません。
何よりも怖かったのは、私が入院していた部屋にいたおばあさんが、「そういえば、今朝ちょうど退院してったそのベットに寝てた男の子も、おんなし学校やってゆうてたわ」と言ったのを聞いた時です。
そう、私は2番目の犠牲者だった井上君が使っていたのと同じベットを使っていたのでした。
(終)