夢の中で繰り返される次の夢

吊橋

 

正夢とか予知夢とかありますよね。

 

私はよくそういった類のものを

見てしまうのです。

 

昔からなんですが、

 

そういった夢に限って、

後から凄く気になることが多いです。

 

妙にリアルで、

生臭さのある夢。

 

今年、歯がぼろぼろになって抜ける夢を

何度も繰り返し見て、

 

血の味とか肉の感触が、

それがもうリアル過ぎて・・・

 

気になったものだから

半信半疑で夢占いで調べてみたら、

 

近親者が亡くなる予知夢でした。

 

その後、姉が死ぬ夢を見て、

 

夢なのにリアル過ぎて、

泣きながら起きたことがあったのです。

 

これも調べてみたら、

 

夢で亡くなったその人の近親者が

亡くなる予知、とかで・・・

 

歯の夢のこともあったし、

 

もしかしたら身近で何かあるのでは・・・

なんて思っていたら、

 

祖母が亡くなりました。

 

そしてしばらく経った頃に、

 

また友人が死ぬ夢を見て

泣きながら目が覚めたことがあり、

 

上のこともあったので

まさかとは思っていたんですが・・・

 

先月その子と会う約束をしていたら

前日に連絡が入り、

 

おばあさんが亡くなったから

行けなくなったとのことで。

 

最近ではそんなことがあり、

 

ずっと忘れていた探し物が

夢の中で見つかって、

 

次の日に母親が見つけたこととか、

 

黒猫が懐いてじゃれてくる夢の次の日、

家の前で黒猫が死んでいたとか、

 

昔から色んな不思議な夢を見てきた私ですが、

大学に入ってから多いのが『多重夢』です。

 

夢の中で夢を見るというものです・・・

 

そこは、橋が直線状にいくつも

連なっている場所だった。

 

気がついたら私は橋を走っていて、

 

夢だと知りつつも、

何かから逃げている。

 

長い長い橋を渡り終えた私の目の前に、

さらに新しい橋が現れた。

 

この橋を渡らなければ追いつかれてしまう!

 

私は焦っていた。

 

しかしその橋には、

 

古い木の板で作られたであろう

看板のようなものがあった。

 

その注意書きが、おかしいのだ。

 

『死なないと渡れません 突き刺し』

 

・・・?

 

直後、後ろから追ってきた何者かに、

木のようなものでグサリと刺された。

 

血が・・・

血がお腹から噴き出している。

 

血はこんな色だったのかと

目を疑ってしまうほどのドス黒い血が、

 

次から次へと噴き出し溢れてくるのだ。

 

辺りに血の独特な鉄臭い匂いが、

ぷ~んと漂ってくるのが分かった。

 

苦しい。痛い。

 

夢なのに・・・

 

この悪夢から逃れるには、

文字通り早く目を覚まさなくては・・・

 

そこで、ぱっと目が覚めた。

 

思わずホッとした。

 

だけど次の瞬間、

気づいてしまった。

 

自分が橋の上を走っていることに。

 

そしてやはり、

後ろから何か追って来ているのが分かる。

 

必至に逃れ、

橋を渡り終えて次の橋までたどり着くと、

 

また看板があった。

 

『死なないと渡れません 操り人形』

 

操り人形?

 

なんだそれは・・・

 

無数の糸が互いに絡まり合い、

私の体に巻きついている。

 

いつの間に!

 

最初に感じたのは、

くすぐったさだった。

 

ふと、小指が持ち上がった。

 

次は中指が・・・

そして親指。

 

ああ、成程・・・

操り人形。

 

プツッ。

 

まず小指が目の前で千切れた。

 

踊るように軽快に私の体は操られ、

そして、

 

ブチッ、ブチッ・・・

 

指が、腕が、脚が、胴が、

 

操り人形みたいに持ち上げられては

ポトポトと落ちた。

 

ブツッ。

 

ゴトッ・・・

 

頭が落ちた。

 

はっと目が覚めた。

 

何なんだ今の夢は・・・

操り人形って・・・

 

気持ち悪い・・・

 

怖い怖い怖い。

 

なんて思いながら、

やっぱり走っているのだ。

 

長い橋を。

 

あれ?また夢の中だ。

 

ああ・・・

 

後ろから私を捕らえようと、

何かが追いかけて来ている。

 

橋を渡り終えたら、

次の橋にはまた看板が。

 

『死なないと渡れません くり抜き』

 

まただ。

 

恐怖に呆然としていると、

後ろから何か聞こえてくる。

 

「かえしてぇ~」

 

か細い女の悲痛な声。

 

さっきも、その前も、

 

追いかけられては殺され、

追いかけられては殺されの繰り返しだが、

 

私を殺し続けているのは一体誰だ?

 

初めて抱いたその疑問に、

振り向くとそこには・・・

 

目が無い女がスプーンを持って立っていた。

 

「かえしてぇ~」

 

繰り返すその言葉に、

どうしようもない恐怖を感じた。

 

逃げたい。

 

でも逃げられない。

 

夢から起きられない。

 

ゆっくりと女が迫って来る。

 

女は目の無い目で、

私を射抜く。

 

ああ・・・

また殺されるのか。

 

女がスプーンを振り上げた瞬間だった。

 

私は妙な違和感に気づいた。

 

この女を私は知っているのだ。

 

目は無いが分かる。

 

私はこの女をよく知っている。

 

でも誰だ?

 

分からない。

 

思い出せない。

 

目にスプーンが突き刺さる瞬間、

はっと目が覚めた。

 

周りを見渡すと、

自室だった。

 

今度は本当に目が覚めたようだ。

 

とても夢だとは思えないような、

リアルな夢から解放されたのだ。

 

ほっと胸を撫で下ろした後に、

気がついて全身の鳥肌が立った。

 

気がついてしまった。

 

あの女。

 

あの女は私だ。

 

私だったのだ!

 

木で一突きにしたり、

糸で遊ぶように手足を千切ったり、

 

目をスプーンでくり抜こうとしていたのは

すべて私だったのだ。

 

どうして自分だということに

気づけなかったのだろうか。

 

たとえ目が無くとも、

 

どう見てもあの女は普段見慣れている

己の姿で己の声だった。

 

何度も何度も殺しをしていたのは

私だったのだ。

 

あれ?

 

じゃあ、殺されていたのは

誰だったんだ?

 

あの意識は誰のものだ?

 

私は私を殺していたのか?

 

それともあの時の私は私ではなく、

他の誰かだったのだろうか?

 

そして私はその誰かを殺し続けて、

何を返してと言っていたのだろうか?

 

「かえしてぇ~」という、

 

確かに自分のものである、

あの悲痛な声が、

 

しばらくこびり付いて離れなかった。

 

猿夢のような夢ですよね。

 

※関連記事

オカ板で話題になった猿夢という怖い話

あの猿夢を読んでしまった男の話

 

私の場合は殺されていますが・・・

 

この夢と関係あるのか分かりませんが、

 

夢を見た翌日から目に炎症が起こり、

眼帯をしている状況です。

 

関係ないですよね・・・

 

(終)

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