某刑務所の前にある通りでの奇妙な出来事

暗い道

 

これは、深夜に友人と家の近所を車で走っていた時の話です。

 

私は助手席に座っていたのですが、S刑務所の前にある通りに差し掛かった時、「パタパタパタ・・・」という音がしました。

 

わりと大きな音だったので、「タイヤにゴミでもくっ付いているんじゃないか?」と友人に言いました。

 

そして車を止めて二人で調べてみましたが、何も異常はありませんでした。

 

しかし、友人が「気のせいやろ」と言って車を発進させた途端、「パタパタパタパタ・・・」と、さっきより大きな音が助手席側の外から聞こえたのです。

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パタパタ道

もう一度車から降りて入念に調べてみましたが、音を出すようなものはありません。

 

友人はボンネットを開けてエンジンも調べていましたが、異常はありません。

 

さらに、車の底部を懐中電灯で隅々まで調べてみましたが、何もありません。

 

「スタンドで見てもらおう」

 

友人はそう言って、車を発進させました。

 

すると、今度は運転席側から「パタパタパタパタ・・・」と音がしました。

 

友人は、すぐに車を止めました。

 

「これ、おかしいよな?」

 

「うん・・・」

 

さすがに今度は二人共、外へ出て調べる気にはなりませんでした。

 

二人して5分ほど黙り込んでいたと思います。

 

やがて友人は、「今度もし音が聞こえても、無視してスタンドかコンビニに行こう」と提案しました。

 

しかし、私が「そうやな。案外タイヤにガムテー・・・」と言ったところで、会話はいきなり中断させられたのです。

 

なぜなら、運転席側のすぐ外から「パタ・・・パタ・・・パタ・・・」と、さっきより小さくゆっくりした調子で音が聞こえてきたからです。

 

エンジンはかけていましたが、車は動いていません。

 

私も友人も固まってしまいました。

 

耳を澄ませながら、友人はエンジンを切りました。

 

対向車もないその道は、シーンと静まり返りました。

 

まだ音はしていましたが、今度は「パタ・・・ジャリ・・・パタ・・・ジャリ・・・」と、地面を引き摺るような音まで聞こえました。

 

それはサンダル履きで歩いているような。

 

直後、友人はエンジンをかけ、車を急発進させました。

 

同時に「パタパタパタパタパタパタ・・・」と、ひときわ大きな音がしました。

 

それはまるで、サンダルを履いた人が追い駆けて来るかのように。

 

S刑務所から200メートルほど先にあるコンビニの駐車場に着いた時には、その音は消えていました。

 

翌朝、友人は馴染みの修理工場で車を徹底的に調べてもらいましたが、何の異常もなかったそうです。

 

これはもう14年も前の出来事です。

 

当時、私も友人もこの話は誰にもしていませんでした。

 

それに、私もすっかりこんな事は忘れていました。

 

しかし先週、S刑務所の近くに最近出来たスーパーへ寄った時、レジの女性スタッフが隣にいたスタッフにこう言っていました。

 

「今日、遅番やねん。暗なってからパタパタ道を通るの嫌やわ」

 

それを聞いた私は、14年も前の出来事を思い出したのです。

 

考察

件の場所について、下記の要点から調べてみました。※管理人調べ

 

・2002年の体験談

・S刑務所

・14年後の2016年頃に近くにスーパーが出来た

 

『滋賀刑務所』の近場に2017年にスーパーが出来ています。

 

参考までに。

 

(終)

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