誰も居ない深夜の集会所に起きていた怪異
彼女の父親は、家から少し離れたところにある集会所の管理を任されていました。
ところがある時から、「こんな夜遅くに何やってんだ!」という苦情が引きも切らずに来るようになったそうです。
そんな苦情の来るような時間帯に集会所を使用することは有り得ないし、よしんば有ったとしても苦情の来るほどの騒ぎをする訳はありません。
それでも念の為にと、集会所の鍵を持っている人に確認してみても、みんな知らないと首を横に振る。
鍵を人に貸したことも無いと異口同音に言われ、彼女の父親は困り果てました。
それでも、もしかしたらどこか鍵が壊れているような場所があって、近所の悪童たちが好き勝手しているのかもしれないからと、彼女の父親以下数人で深夜に集会所まで確認に出向きました。
柱や屋根にびっしりと・・・
そして、目の前の状況にみんな身の毛がよだったそうです。
集会所の中は電気もついていません。
なのに、複数の気配があるのです。
闇の中に何かが動いているような様子も感じられます。
一人が覚悟を決めて玄関の鍵をそっと開け、電気をつけました。
ですが、誰も居ません。
人が居た様子も無く、建物の中はひんやりとしたままでした。
しかし、みんなが遠目からでも感じた気配は、気のせいなどという言葉では片付けられず、手分けしてさほど広くもない建物の中を隅々まで調べました。
でも、何一つ見つけることは出来ませんでした。
翌日、関係者を集めて、天井裏から床下まで徹底的に調べる事にしたそうです。
その大捜索の結果、天井裏の中心部の柱や屋根にびっしりと『御札』が貼られていました。
それらは全て剥がされ、柱は丁寧に磨かれました。
以来、深夜の集会が開かれることはなかったそうです。
後で調べたところによると、彼女達の地区がその集会所を借りる前は、とある新興宗教の団体がかなり長い間そこを使っていたのだとか。
しかし、深夜の集会所には一体何が集まっていたのでしょうか。
それにしても、『呼ぶ御札』や『招くお札』というのもあるんですね。
皆様もどうぞお気を付け下さいませ。
(終)
お札が呼んだんじゃなくて、お札を張りすぎて幽霊が出られなくなっただけでしょ。
そういう札とわかって剥がす輩と無知故に剥がす輩がいるからね
普通は触らないけどねえ