躁うつ病の女の子にまつわる話 2/2

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大学を卒業後、

 

俺は金融機関に

勤めましたが、

 

激務のため、

1年間で辞めてしまいました。

 

その後、

 

以前バイトしていた

社長の世話になり、

 

一軒家にバイトの人たち3人と

住むようになりました。

 

ある日、

 

俺は朝から体調を崩し、

家で眠っていました。

 

夜、隣の部屋の人が

 

「元気か~」

 

とドアを開けました。

 

目の悪い私は、

 

その人の姿がぼんやりとしか

見えません。

 

なんとなく、もう一人・・・

後ろにいるようだったので、

 

「誰が来てるの?」

 

と尋ねました。

 

「俺一人や」

 

「ふ~ん」

 

その時は、なんとも

思いませんでした。

 

夜中に目が覚めると、

 

留守番電話にメッセージが

残っていました。

 

再生すると、

 

なんと言うか・・・

 

雑音がいっぱい入った

スピーカホンのような状態で、

 

私の大学時代のことを

ぶつぶつ言ってるようでした。

 

『誰?』

『女?』

『サークルのこと?』

 

そんなことを思いつつ、

 

必死に心当たりを

探っていると、

 

電話のベルが突然、

鳴りました。

 

N君からです。

 

N「Tさんが自殺した。

 

裁断機で左手首を

切り落としたらしい」

 

最初は何のことかさっぱり

分かりませんでした。

 

N「そのことで話がある。

明日会えないか?」

 

いつになく真剣だったので、

思わず承諾してしまいました。

 

翌日、N君の下宿に、

K君と俺が集まりました。

 

N君が俺に便箋を差し出し、

「読め!」と言いました。

 

そこには紛れもなく

Tさんの筆跡で、

 

自分は俺に捨てられたこと、

 

自分のことでNとKが

争っていること、

 

自分は早く結婚したいこと、

 

など・・・。

 

およそ事実とはかけ離れたことが

書き綴られていました。

 

K君にも同じような手紙が

来ていたのですが、

 

N君は別のところを指差して、

 

N「ここを見ろ!」

 

と、ぶっきらぼうに

言いました。

 

自殺があった日が7月2日、

手紙の消印が5日・・・。

 

俺は、彼女の死後に、

 

両親が投函されていない

封筒を見て投函したのだろう、

 

と言いました。

 

そう言いながら俺は、

あることに気が付いたのです。

 

留守番電話のメッセージ、

 

タイムスタンプは4日に

なっていました。

 

そのことを話そうとした瞬間、

N君が「誰?」と叫びました。

 

玄関のドアがカリカリと

鳴ってます。

 

誰かが引っ掻いているような・・・。

 

そして、ドアがガタガタと

揺さぶられ、

 

こじ開けられようと

しています。

 

・・・ギッ

 

少し開いたドアの

隙間に見えたのは、

 

手首までしかない

女性の左手でした。

 

その瞬間、

 

俺は恥ずかしながら、

気絶してしまいました。

 

気がつくと、N君が

 

N「第二春日ビル・・・

第二春日ビル・・・」

 

と、ぶつぶつ呟いていました。

 

あれから6年が経ちました。

 

毎年この時期になると、

俺とK君は墓参りに行きます。

 

TさんとN君、二人の。

 

N君は3人で集まった

日から間もなく、

 

自ら手首を切って

亡くなりました。

 

現場は第二春日ビルという、

 

音楽スタジオが入っている

ビルでした。

 

手にはヘッドホンが

握り締められていました。

 

墓参りの帰り道、

K君ぽつんと漏らしました。

 

K「俺さぁ・・・

 

気が付くと手首をじっと

見つめてる時があるんだよね。

 

あの合宿の日、

 

Nと一緒にTさんを

慰めたからなぁ・・・」

 

大学2回生の夏合宿で、

 

N君はTさんに

こう言ったそうです。

 

N『○○(俺)のことは忘れろ。

なんかあったら俺を呼べ』

 

二人の冥福を祈ります。

 

(終)

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