古い白骨を見てから起きた身体の異変 1/2

白骨

 

2年ほど前の話です。

 

私は、父が経営する土建屋で

事務をしています。

 

今は兄が実質の社長ですが、

やはり父の威光にはかないません。

 

※威光(いこう)

人を恐れさせ、従わせる力や勢い。威勢。

 

そんな父の趣味が発端と思われる、

私の身に起きた出来事です。

 

父は自ら所有する山に、

どうやらログハウスを建てたいらしく、

 

もともと日曜大工が趣味の父ですから、

 

中古の重機を購入し、

ダンプを友人の土建屋さんから借り入れ、

 

本格的に基礎工事まで着手するようでした。

 

週に一度の休みを利用して、

まめに通っていました。

 

着手してから数ヵ月後。

 

「○○(母)~、警察よんでけれ」

 

「え、え、え?なしたの?」

 

「骨出てきたから、

警察に電話してけれじゃ」

 

「ぇえぇ、殺人事件?」

 

「いいがら、はやぐ」

 

(父は未だに携帯を持とうともしないので、

わざわざ山から40分かけて帰宅。

 

母は用心のためにと

携帯を持たせているのですが、

 

意味無しですよね)

 

警官が3名やって来まして、

 

父はその現場を案内するため

先導することに。

 

私も休みでしたから、

興味本位で同行する事にしました。

 

現場に到着しますと、

 

飴色に変色した白骨が散乱して、

剥き出しになっていました。

 

白骨には足枷があり、

それに鎖が繋がっているのも見えました。

 

素人目にも古い骨だということは、

すぐ分かりました。

 

事件性の有無などの確認のためなのか、

父は細かい質問を随分と受けていました。

 

検死官もその後に到着しまして、

とても古い骨であると言う。

 

仮に事件だったとしても、

 

とっくに時効を迎えているであろう事から

警察官は予想外なことに・・・

 

「申し訳ないですが、

そちらで処分を願います」

 

私は一瞬呆気に取られましたが、

父は豪胆なので、

 

※豪胆(ごうたん)

度胸がすわっていて、ものに動じないこと。

 

「したら、こっちで坊さん呼んで

供養してもらうわ」

 

と、検死官と警察官と一緒に、

果物用の木箱に骨を入れ始め、

 

その骨を檀家の住職さんの所へ持ち込み、

 

無縁仏として供養して頂くことに

してもらいました。

 

(その枷と鎖は、まだ寺にあるはずです)

 

豪胆な父は、

 

その後また現場へ戻り

作業の続きをしようとしたので、

 

私は心配になり、

父が帰宅するまで一緒にいました。

 

帰宅する時に、

体が異常にだるかった事を覚えています。

 

父と母と3人で、

 

昼間の奇妙な事件について

食卓を囲みながら話し、

 

私は体がだるかった事もあり、

入浴の後に両親よりも先に寝ました。

 

夢を見ました。

 

なぜか私は・・・

 

木製のリュックのような箱を背負い、

石を運ばされています。

 

朝早くから日が沈むまでそれは続き、

やっと開放されたと思えば、

 

小さな掘立小屋のような所に押し込められ、

寒さと飢えを感じながら床に就く。

 

そして夜中に口を押さえ付けられ、

かわるがわるに犯される・・・

 

朝起きると汗びっしょりで、

 

変な経験をしたから

あんな夢を見たのかなぁ・・・

 

くらいに考えていました。

 

(続く)古い白骨を見てから起きた身体の異変 2/2

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