古い白骨を見てから起きた身体の異変 2/2

白骨

 

それからも1ヶ月くらいの間、

3日おきに『同じ夢』を見ました。

 

それから3ヶ月後。

 

生理が2回も来ないので、

婦人科へ行くことにしました。

 

「○○さん(私)

妊娠の可能性があります」

 

「え?どういう意味ですか?」

 

「詳しいことは、

これからの検査が必要ですが」

 

私は当時、彼氏もいませんでしたし、

ましてや『妊娠』なんてありえません。

 

その事を医師に伝えますと、

 

「皮様嚢胞かも知れないので、

後日またいらして下さい」

 

※皮様嚢胞(ひようのうしゅ)

皮脂や毛髪、脂肪、歯、軟骨などが溜まってしまっている状態。

 

夢の事が何より怖かったですし、

聞いたことも無い病名でしたので、

 

それはもう不安で不安で・・・

 

その日は会社でも、

仕事が手につきませんでした。

 

その日の夜、

 

急に子宮の辺りに激痛が走り、

動くこともままならなかったので、

 

母に救急車を呼んでもらい、

昼間受診した病院へ向かいました。

 

ストレッチャーに乗せられ、

車内で唸りながら病院に着くのを待ち、

 

意識が遠くなりそうになった時・・・

 

子宮が蠢(うごめ)くような感覚と共に、

何がが出るような気がしました。

 

痙攣のような感じと一緒に

私の入り口(膣)からは、

 

『赤みがかった半透明なゆでたまご』

 

のようなものが5~6個、

ぼろぼろと出てきました。

 

病院に着く頃には

痛みも和らいで来ましたが、

 

まだ意識は朦朧としていました。

 

(その水風船のようなものは、

 

救命士の方が医師に

手渡してくれたようです)

 

翌日のお昼近くになってから、

私は意識を取り戻し、

 

医師にあれはなんだったのか・・・

という質問をしますと、

 

「皮様嚢胞というより、

 

胎児が分裂に失敗して、

あのような形になる事があります」

 

「でも・・・

本当に心当たりがありません」

 

「そう、気に病まずに、

 

嚢胞の一種かも知れませんし、

後で悪性でないかどうかお知らせします」

 

結局、

悪性ではないことが分かりましたが、

 

どうしてこうなったか医師に尋ねても、

 

「よくわからない」

 

と言った返答しかありませんでした。

 

そして、その1週間後。

 

また、あのリアルな夢を見ます。

 

立て続けに3日間も。

 

本当に怖くて、

 

両親に相談した後、

心療内科にも行ってみましたが、

 

「特殊な体験の後の

珍しい疾患を患ったわけだから、

 

悪夢を見てもしょうがない」

 

とだけ言われました。

 

薬の処方も薦められましたが、

どうしてもそういう薬には抵抗があるので、

 

なるべく考えないように、

生活を送ることにしました。

 

そして3ヵ月後・・・

 

また生理が止まり、

婦人科へ行きますと・・・

 

「前回と同じ症状ですね」

 

「・・・」

 

とにかく私は怖くて怖くて、

すぐに摘出してもらうよう頼みました。

 

でも、

 

前回は上手く出てきたからいいものの、

普通なら手術が必要ですし、

 

『掻爬』もリスクが大きいので

勧められないとの事。

 

※掻爬(そうは)

一般的には診断あるいは治療のために、鋭い匙(さじ)状のキューレットで組織の採取、破壊、あるいは除去を行うこと。

 

その一週間後。

 

また前回のように痛みだし、

意識が朦朧とする中、

 

『それ』を排出・・・

 

気が狂いそうになりました。

 

理由も分からず、

なぜこんな病気にかかったのか。

 

今でも私は、

この病気に苦しめられています。

 

枷と鎖があった白骨は、

お寺で供養したはずなのに・・・

 

病気の発症と妙な出来事が

重なっただけかも知れませんが、

 

今も時折『あの夢』を見ます。

 

そして、

生理が今月も来ません・・・

 

(終)

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