体中が痒くなり始めた原因はキジムナー
私は沖縄出身で、これは高校生の時の話です。
その日は校内球技大会でしたが、早くに敗退して午前中でやる事がなくなってしまった私は、ガジュマル(キジムナーがいるという木)の下でぼーっと他のクラスの試合を見ていました。
※キジムナー
沖縄諸島周辺で伝承されてきた伝説上の生物、妖怪で、樹木(一般的にガジュマルの古木であることが多い)の精霊。 (Wikipediaより)。ちなみに、ガジュマルは幸福を呼ぶ木だとか言われているが、別名を「絞め殺しの木」とも言われる。
球技大会も終わって何事もなく家に帰り、夕飯を食べた後くらいにそれは起こりました。
突然、体が痒くなり始めたのです。
気の弱ってる人に憑く
最初は腕や肩、そして背中、お腹・・・と、どんどん体中が痒くなりました。
しまいには、足の先から頭皮まで痒くて堪りません。
バリバリと引っ掻いているうちに、顔が腫れてきてしまいました。
その時、電話がかかってきたのです。
何事かと心配そうな目で私を見ていた母親が電話に出てみると・・・。
相手「○○(母親の友達)だけど」
母親「あら、すごい久しぶりじゃない」
相手「お宅の娘さん、今大変なことになっているでしょ?」
母親「!?」
相手「今から行くから」
数十分後、母親の友達が家に訪ねて来ました。
この方はユタ(民間霊媒師)で、突然私の体を撫でる様に手をかざし始めました。
ユタ「あんた、今日ガジュマルの下にいたね?」
私「あ、はい・・・(不思議そうな顔をしながら)」
ユタ「キジムナーだよ。昨日嫌なことがあって落ち込んでたでしょ?」
私「!?(なぜ分かる?)」
ユタ「そういう気の弱ってる人に憑くんだよ」
私を仰向けに寝かせ、触れるか触れないかくらいの位置で体中を撫でる様に手をかざしていました。
すると、不思議とかざされた部分の痒みが引いていくのです。
本当に不思議でした。
ユタ「明日の12時になれば腫れも引くから」
次の日、私は顔が腫れていたので学校を休みました。
やる事もなくテレビを見ていて、お昼の番組『笑っていいとも』が始まった瞬間でした。
多少残っていた痒みがハッカ飴を舐めているかの様にスーっとなくなり、腫れがみるみる引いたのです。
まさに「アンビリーバボー!」でした。
嘘のような本当の話です。
(終)