目が覚めるとタンスがひっくり返っていた

タンス

 

これは、私が中学二年生だった頃だと思う。

 

その頃は姉がもう家を出ていたので、私は姉が使っていた部屋を自分の部屋として使い、当然そこで毎日寝ていた。

 

そこには姉がもう使わなくなった服がたまっている、大きくて古いタンスがそのまま残されていた。

 

ある日のこと、目が覚めるとそのタンスがひっくり返っていた。

 

上に乗っていた目覚まし時計はそのままの状態で、タンスの上下だけが入れ替わっていたのである。

 

目覚ましのアラーム音を止めようとしてその事に気付いた時、私は不思議とか怖いとかいう前に笑いが出てしまった。

 

すぐさま、母親に笑いながら報告した。

 

しかし母親はその事実を確認すると、驚くほど厳しい顔で姉に電話をかけた。

 

そういう意味では信心深い母は、姉の所有物だったタンスの異常を『何かの悪い予兆』として感じ取ったのだろう。

 

電話をした時、姉はもちろん無事だった。

 

しかしその約一週間後、姉の住んでいたアパートは何者かによって火をつけられ、姉は帰らぬ人となってしまった。

 

そして火をつけた犯人は、まだ捕まっていない。

 

(終)

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