偶然見つけた廃墟ホテルへ
地方の女の子を集めるため、
出張スカウトをしていました。
連絡先もある程度集まり、
今日はこの辺で切り上げて
ホテルに帰ろうと、
車を走らせていました。
同乗者がドライブに行きたい
と言うので、
僕は早く寝たかったのですが、
ドライブへ行くことに。
1時間ほど車を走らせていると、
わりと大きなホテルの廃墟が・・・。
同乗者「おっ!!
あそこ行こうよ!暇だし」
僕「マジっすか?
雨降ってきたし帰りましょうよ」
この頃、霊感というものが
目覚めてしまっていた僕は、
拒否したのですが、
あまりにも行きたがるので
渋々行くことに。
懐中電灯を持ち、
いざ廃墟の前に行くと、
建物の大きさと雰囲気で
完全に恐怖する僕を尻目に、
知人は中へ。
1階~2階を見て回ると、
典型的な廃墟でした。
中は朽ち果て、
荒らされ放題・・・。
心霊スポットなんでしょうね。
古いテレビ等が、
長い間放置されていたことを
物語っています。
そして3階へ。
いきなり空気が変わったような
感じがしました。
耳鳴りがする・・・。
僕の異変を感じ取ってくれたのか、
3階を見たら帰ることに。
同「写真撮ろうよ」
僕「絶対やばいですって・・・
止めましょう」
結局、何枚か撮影することに。
荒れた風景しか
映らなかったので、
最後の一枚と言うことで、
デジカメのシャッターを押しました。
フラッシュで照らされた瞬間、
向こうに人影が・・・。
デジカメの画面には、
画面いっぱいに
女の顔が一瞬映り、
すぐ撮影モードに。
2人で顔を見合わせ、
同「今、映ったよな・・・?」
僕「はい・・・やばくないっすか?」
同「見よう」
確認すると、
ただ画面が黒いだけで、
何も映ってませんでした。
荒れた風景を映したのに、
僕「帰りましょう!」
同「・・・そっか。面白そうなのに」
再び、車を走らせて
ホテルへ。
この間、
僕は廃墟へ行ったことを
後悔してました。
何も起こらずホテルへ到着。
同乗者がフロントに
廃墟のことを尋ねると、
やはり有名な
心霊スポットでした。
『10数年前に廃墟に』
『火事があった』
『自殺があった』
などの話をしてました。
そんな事より、
廃墟ホテルの名前を聞いて、
ビックリしました。
ホテルニ○ージャパン・・・!
東京にありましたよね?
心霊スポットで変な偶然に
怖いなと思いつつ、
各自の部屋へ。
一人で、さっき映った
顔のことを考えていると、
バンッ!
と、窓ガラスが叩かれる音が。
窓を見ると、
少しだけ開いてる。
閉めてたはずなのに・・・。
再び、
バンッと音がしたので、
怖いけど閉めようと思い
立ち上がると、
風が吹き、カーテンが
少しだけめくれました。
一瞬でしたが、
誰かが立ってるのが
見えたんです。
5階の窓の外に・・・。
顔はカーテンで
隠れてるんですけど、
確かに居ました。
(終)