亡くなった爺さんの手帳に書かれていたもの

手帳

 

爺さんの墓参りに行った帰り、

爺さんの家で食事会みたいなのをした。

 

(婆さんは生きている)

 

食事を終えた後、

 

本が好きな俺は、

爺さんの読んでた本を探していた。

 

その中のひとつの、

原版らしき太宰治全集を物色してたら、

 

その全集を取った奥に、

小さな引き戸があった。

 

その引き戸を開けると、

 

中に紐で結ったコミックスサイズの

薄黄色い手帳があった。

 

婆さんに「これ何?」って見せたら、

爺さんは亡くなる直前まで、

 

心霊現象や超常現象みたいなものを、

20年くらい研究していた事が分かった。

 

爺さんも特に隠してる様子は無かったので、

婆さんは俺にくれた。

 

その中には、

 

色んな場所や思念がどうだかって、

よくある事が書いてあったんだけど、

 

その最後に詩のような短文があった。

 

見出しには、

 

口に出したり、

その内容の意図を理解すると、

 

霊的な現象や感情の変化を引き起こす

可能性がある文字列、また文章、

 

と書いてあった。

 

興味があるので、

そのまま抜き出してみたい。

 

①、

目を抜き口を紡ぎ空を見る

海は火となり空を焼く

彼の者路を示し合わせん

案内早し道は長し

先はあれど後は無し

崖を背にただ歩むのみ

果ては無限終わり無し

闇に光に空は無く

すべて崩れたり

 

②、

示しましょう 落ちましょう

示しましょう 落ちましょう

示しましょう 落ちましょう

死にましょう

 

婆さんが言うには、

 

この手帳は爺さんが亡くなる直前まで

書き込んでいたらしい。

 

杞憂かもしれないのだけど、

 

※杞憂(きゆう)

心配する必要のないことをあれこれ心配すること。

 

最後に書き込んだ後に亡くなったのは 、

この文章に関係があったりしないかな・・・

 

爺さんは肺炎で亡くなったんだけど、

なんだかゾクっとした。

 

(終)

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