溜まり場となっていた廃神社にて 4/4

廃神社

 

「すみません・・・

あの・・・あのですね、

 

10年以上前にここの神社に

よく来てた者なんですが」

 

すると女の子は、

 

「はい?」

 

と答えた。

 

髪のとても長い女の子だった。

 

「10年くらい前にここの神社に

よく来ていたんですよ、実は」

 

と言ったら、

 

「少しお待ち下さい」

 

とホウキを置いて

誰かを呼びに行った。

 

俺は周囲を見渡した。

 

12年前には無かった

神社横のアパートのバルコニーで、

 

洗濯物を干している

主婦が見えた。

 

「どうされましたか?」

 

神主さんなんだろうけど、

 

私服を着た上品な顔立ちの、

年輩の白髪のじいさんが近寄ってきた。

 

女の子はホウキを持ってお辞儀して、

別の場所を掃除し始めた。

 

「すみません、12年前に・・・」

 

と説明をしたら、

 

神主さんは驚いた表情をしながら

聞いていた。

 

一通り、話をした。

 

2年間も溜り場にしていたことや、

おばあさんの話、事故の話。

 

「あ~なるほど・・・。

 

実はこの神社は3年前に、

 

○○神社から分祀されて

復興したんです」

 

俺は、

 

「はぁ・・・そうですか・・・」

 

と答えた。

 

「まさかそんな話を聞けるなんて

思いもしていませんでした。

 

その箱はその時におそらく

開いたんでしょうなぁ・・・。

 

アレは冥界の門みたいなもんで、

 

私も実際に手に取ったことは

ないんですが・・・」

 

「なんですか?冥界の門って?

あの箱、どこに行ったんですか?」

 

「いやぁ、アレには

色々な呼び方があって、

 

私どもは忌箱(キバコ)

呼んでいます。

 

私がここに来たのが半年前で、

前任の者が失踪したんですよ。

 

詳しい事は私も聞かされて

いないんですが、

 

前任者が忌箱に取り込まれた

という話を聞きましたが・・・

 

「ええ~!!

忌箱って何なんですか?

 

Aたちが死んだのも、

何か原因があるんですか?!」

 

「分かりません。

 

う~ん・・・命を取ることも

あるのかも知れませんね・・・。

 

申し訳ないですが・・・」

 

それから神主さんは

お祓いをしてくれた。

 

神主さんは神主衣装に着替え、

 

30分くらい物々しい雰囲気の中で

お祓いの儀式をしてくれた。

 

女の子はたまに様子を覗きにきた。

 

俺は正座してお祓いをしてもらいながら、

女の子にさりげなく微笑んだ。

 

女の子はたぶん微笑み返してくれて、

出て行った。

 

「忘れなさい。

 

アレはあなたの人生に

たまたま通りかかった通り魔

 

・・・のようなものですから」

 

と言われた。

 

俺は話せて良かったことと、

お祓いのお礼を言って帰った。

 

その後は東京に戻って、

普通に生活している。

 

東京に戻ってしばらく経った頃から、

夢をよく見るようになった。

 

3日に1度は見る。

 

あの日、Dと神社に到着した

後の光景だった。

 

神社に到着した後から

事故に遭うまでの内容が、

 

断片的に夢に出てきた。

 

この前は、

 

トラックに轢かれたのは

運転手の責任じゃなく、

 

俺とDがAとBの2人と車道で

 

揉み合いになっていたところに

衝突してきた内容だった。

 

他にも、

 

神社の境内での

おぞましい内容の夢を見た。

 

内容は誰にも言っていない。

 

もし夢の内容を口にしたら、

 

とても恐ろしいことが

起こりそうだからだ。

 

最近になって俺は、

 

これは夢じゃなく

記憶なんじゃないか・・・

 

と思い始めている。

 

(終)

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