真相は永遠に闇の中へ

病室

 

母から聞いた話。(母の子供の頃の体験談)

 

知り合いのおばあちゃんが

身体の調子がおかしいということで、

 

病院に行って検査などをしていた。

 

すぐ終わるはずが長引いて、

結局そのまま入院することに。

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病院で何が行われていたのか・・・

当時は肺結核が多かったので、

 

サナトリウムのような隔離した病院に

入院したそうだ。

 

※サナトリウム

高原・海岸・林間などに設け、新鮮な空気と日光とを利用する、特に結核の療養所。

 

そんなに悪かったのか・・・と驚いて、

ある日に皆で見舞いに行った。

 

そのおばあちゃんと少女だった母以外の皆が、

別の話に夢中になっていて、

 

ぽつんと取り残されたようになった。

 

母が「おばあちゃん、大丈夫?」

と訊いたところ、

 

ポツリと「全然大丈夫じゃないよ・・・」

との答えだった。

 

おばあちゃんはさらに続けて、

 

「ここは何かおかしいのよ。

 

検査と言いながら、

紙に延々と同じ言葉を書かされるし・・・

 

頭に変なものを被せられて、

少しでも動くと怒られるし・・・

 

薬はとても多くて飲むのが大変だし・・・」

 

少女だった母にはその異様さが伝わるわけもなく、

ふぅ~んという程度で終わってしまっていた。

 

さらにそのまま二ヶ月ほど入院していたそうだが、

ある日ひょっこり退院することになった。

 

退院したおばあちゃんを見て、

母は衝撃を受けた。

 

その口は開きっぱなしで

ヨダレをだらだらと垂れ流し、

 

車椅子に乗っているその身体は、

小刻みに震えていた。

 

「きてきてられられますおられます

おられますらりらりられ・・・」

 

やたらと“ラ行”の多い、

意味不明の言葉を繰り返していた。

 

しゃんと背筋を伸ばして、

 

身だしなみに気を遣っていた

以前の姿は微塵も無かった。

 

どう見ても、

 

これは退院出来る状況じゃないだろう・・・

と思いはしたが、

 

医者の言うことだからと、

自宅療養で引き取ることになった。

 

それから10日後、

おばあちゃんはあっさり逝った。

 

スライス盤のような円盤状の大型カッターに

自ら飛び込んだのだ。

 

夫であるおじいさんが造船作業員だったので、

 

その工場に入り込んで、

勝手に機械を動かしたらしいとか・・・

 

その病院も今はすでに無く、

当時を知る者も全員鬼籍に入ってしまっている。

 

※鬼籍(きせき)

死者の名や死亡年月日などを記す帳面。過去帳。

 

もはや真相は永遠に闇の中・・・

 

ただ、あれから数年経った頃、

 

母がふと気になって当時の電話帳や

住所録などを確認したそうだ。

 

しかし・・・

 

どこにもそんな名前の病院は

載っていなかったという。

 

(終)

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