とある居酒屋での不思議な体験談

居酒屋

 

これは、大阪府茨木市のとある居酒屋での体験談。

 

瀬戸君が大学生の頃、学費の足しにと、たまたま見つけた居酒屋でバイトを始めた。※名前は仮名

 

何処にでもある個人経営の昔ながらの居酒屋であったが、時給ではなく月給制で、1週間のうち3日出ればいいという変わった待遇だった。

 

ただ一つ約束があり、『店主が早く帰る土曜日だけ、必ず出勤し最後までいてくれ』というものだった。

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便座に座った黒い人影

瀬戸君は居酒屋のバイト経験があった為、すぐに仕事に慣れ、あっという間に1ヶ月が過ぎた土曜日のこと。

 

店主と最後の客が帰った後、瀬戸君は閉店作業をしていた。

 

閉店作業には順番があり、暖簾(のれん)をしまって、皿を洗い、トイレ掃除をして、有線放送を止める、という順番だった。

 

「この手順を守ってくれ」と言われていたが、この日、瀬戸君は有線放送を先に止めて皿を洗っていた。

 

静かな店内で黙々と皿を洗っていると、トイレの中から男の声が聞こえた。

 

(あ、しまった。まだお客がトイレに入ってたのか)

 

慌てた瀬戸君は、「すいません、いらっしゃったの気がつきませんでした」と、すぐにドア越しに声をかけたが、返事がなかった。

 

酔っ払って寝てしまったのかと、「あの、大丈夫ですか?」と声をかけながらドアをノックすると、内側に開くドアがノックの拍子に開いた。

 

その時、電気が消えた真っ暗なトイレの中に、便座に座った黒い人影が見えた。

 

(やっぱりトイレで寝てしまっていたか)

 

「すいませんでした」と謝りながら、瀬戸君がトイレの電気をつけた瞬間、黒い人影は一気に瀬戸君に向かって飛びかかって来た。

 

そして、突然のことに驚いて腰を抜かした瀬戸君の脇を抜けて、その影は勝手口の方へ這うように出て行ってしまった。

 

2日後のバイトの日に店主にそのことを告げると、店主は「やっぱり出て行ってしまったのか、残念だな」と言った。

 

※補足

主に西日本に出没すると言われている豆狸(まめだ)という小動物の妖怪の類か。時には人を驚かすイタズラをすることはあるが、居付かれると商売繁盛するという。

 

(終)

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