四次元の世界と繋がる木 4/4

フッと軽くなったような気がした瞬間、

懐中電灯が消えて真っ暗になった。

 

何かに躓いて転んでしまった。

 

「痛!おい、消すなよ!こら!」

 

「消してないよ!・・・消えた!」

 

パンパン!・・・パンパン!

 

懐中電灯を叩く音が数回した後、

フッと灯りがついた。

 

「あれ?ヨッシーは?」

 

いない?!

真ん中にいるはずのヨッシーが、いない?!

 

反対の腕を掴んでいた友達も

何故か転んでいて、キョトンとしている。

 

「いないわけないだろ?」

 

「あいつイタズラしてんだよ!

おいヨッシー、ふざけんなよ!

出て来いよ!」

 

灯りがつくまでは数秒、

 

ヨッシーはその間に

茂みに隠れているに違いない。

 

俺達は懸命に探した。

 

「おい、ヨッシー、出て来い!」

 

「もうやめよう、謝るよ、出て来て」

 

「悪かった!ヨッシーごめん。

頼む出て来て!」

 

俺達は青くなった。

 

ヨッシーは悪ふざけをして、

その辺の崖から転落したのかもしれない。

 

「お前があんなアホ連れて来るから

悪いんだぞ?」

 

俺は後悔した。

 

ヨッシーはマジで大ケガ、いや、

死んだかもしれない。

 

ヤバイ・・・ヤバイ・・・。

 

「うん。俺の・・・責任だ。

とりあえずヨッシーの家に行って、

お母さんに説明しよう。

 

それから警察に届けよう。

俺の責任だ」

 

俺達は急いでヨッシーの家に向かった。

 

山道を15分とバイクで一時間、

ヨッシーの家に到着した。

 

「おばちゃん、おばちゃん!

ヨッシーが大変な事に!ごめんなさい!」

 

ヨッシーの母ちゃんは、

俺達の勢いにびっくりしたようだが、 

直後にとんでもない事を言った。

 

「どうしたのこんな遅くに?

義彦ならさっき押し入れから落ちたみたいで、

うーうー唸っているよ。二階で」

 

え?なんだって・・・?

俺達は訳が分からず二階に行った。

 

そこには紛れもなく、

ヨッシーがいた。

 

「おい、ヨッシー、ヨッシー!

お前どうやって帰ったんだ?え?」

 

ヨッシーは何故か全裸だった。

 

体中に傷があって、

ヨダレをだらだらと垂らしている。

 

「オジサンがね・・・僕のね・・・えへへ・・・

お前ら知らないぞ?オジサン怒ってたぞ?」

 

「ヨッシー、オジサンって誰なんだよ?え?

オジサンって?頼むよ、答えろよ!」

 

俺は何故か半泣きになって、

ヨッシーを揺さ振った。

 

「えへへ、えへへ」

 

ヨッシーは答えない。

 

お母さんの話を聞くと、

一時間位前に二階でドスンドスンと

大きな音がして見に行くと、

 

ヨッシーが全裸で

ヘラヘラ笑っていたという。

 

一時間前って・・・

ヨッシーが消えた頃じゃないか?

 

「この子・・・もう駄目なのかな・・・

みんな・・・友達でいてあげてね」

 

俺達は何も言えなかった。

 

翌日の日曜日の昼間に、

俺達はもう一度

四次元の木に行ってみた。

 

何か手掛かりがあるかもしれない。

 

四次元の木の周りには何もない・・・

すると、一人が何かを発見して叫んだ。

 

「おい、あれを見ろよ!」

 

指を差した場所は空だった。

 

四次元の木の頂上付近、

30メートル位の場所に・・・ 

服が絡み付いている。

 

「あれ・・・ヨッシーの服だろうか?」

 

間違いない。

昨日、ヨッシーが着ていた服だ・・・。

 

一体、どういう事だろう?

俺達はいくら考えても分からなかった。

 

ヨッシーは四次元に迷い込んだのか?

オジサンとは誰だろうか?

 

いくら考えても分からなかった。

 

あれから15年・・・

ヨッシーは通院では済まなくなって、

今は面会不可な場所にいる。

 

俺達、あの時は

犯罪者になった気分だったけど、

 

10の14乗分の1くらいの確率で、

木だって通り抜けられるんだよね?

 

だから・・・偶然じゃなく必然だったんだ。

そう自分に言い聞かせているんだ。

 

(終)

スポンサーリンク

コメントを残す


↓↓気が向けば下のアイコンを応援(タップorクリック)していってください♪
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 心霊・怪談へ (ブログランキングに参加しています)
サブコンテンツ

月別の投稿表示

カレンダー

2017年12月
« 11月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  
特定のキーワードからサイト内の記事を検索するには、すぐ下の「検索窓」からキーワードを直接入力してご利用ください。
アクセスランキング

このページの先頭へ