刑務所にいる兄からの手紙
姉を殺して、両親や私にも
怪我を負わせたあの兄が、
刑務所から手紙を寄越した。
「昨、風、年、夜」
「時計、照、没、常」
「逸、線、走、却」
「監、牢、舎、投」
手紙の消印は一昨日だ。
「鍵!」
気付いてすぐ玄関に向かった母が、
悲鳴を上げた。
(終)
解説
それぞれの文字に『何かを足す』。
足すのは『共通の漢字』。
「昨、風、年、夜」+「今」
↓
『昨今、今風、今年、今夜』
「時計、照、没、常」+「日」
↓
『日時計、日照、日没、日常』
「逸、線、走、却」+「脱」
↓
『逸脱、脱線、脱走、脱却』
「監、牢、舎、投」+「獄」
↓
『監獄、牢獄、獄舎、投獄』
となる。
足した4つの文字を順に並べると・・・
↓
『今日脱獄』
消印は一昨日。
つまり、
兄は一昨日に脱獄した。
気付いてすぐ玄関に向かった母が
悲鳴を上げたということは、
兄はもう家の玄関まで来ていて、
母は・・・。
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