もうておくれだしね

 

俺はどうしようもなく、

彼女にひかれていた。

 

・・・繰り返し思い出す、

彼女との思い出。

 

初めて告白した時の、

はにかんだ笑顔。

 

夜景を見に行って

指輪を渡した時は、

 

涙を流して喜んだっけ。

 

7年間の思い出が、

頭の中を駆け巡る。

 

だけど俺は彼女を

裏切ってしまった。

 

野心に負けて、

社長の娘を選んだんだ。

 

彼女は思い出の場所に

俺を呼び出した。

 

俺は、

 

本当は彼女を一番愛してると

伝えたかったけど、

 

もはや何も言えなかった。

 

彼女は泣いてるような

笑ってるような顔で、

 

「あなたと幸せになりたかった。

でももうておくれだしね・・・」

 

そう言い残すと車を走らせた。

 

彼女の去った後は、

怖いくらいの静寂が訪れた。

 

(終)

解説

彼女にひかれていた。

 ↓

車に轢かれていた。

 

もうておくれだしね・・・

 ↓

もう手遅れだ死ね・・・

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