霊媒体質のおば様が葬儀屋に入社
これは、身に降りかかった怪奇現象の正体にゾッとした話。
私は家族経営の葬儀屋に勤めているが、特に霊感等は持ち合わせていないので自身のエピソードはない。
ただ、新しく入ってきた事務のおば様が見える人らしくて、この葬儀屋で過去に起こったこと(長男が借金で自殺したり、次男が病死したり)を見事に言い当てた。
それに対し、亡くなった二人の父親でもある社長は面白くなくて、おば様に当りが強い。
さらに、おば様が社長から責められている時、必ずといっていいほど私のデスクがガタガタといいだす。
おば様いわく、葬儀屋や斎場みたいないわゆる出そうな所は、実は案外いわくやオカルトなんてほとんど無くて、たとえ何かいたとしても害がないらしい。
なぜなら、葬儀が出来るくらいちゃんと弔われている人達を相手にしているわけだから、よっぽどの因果や悪いことをしていない限り、霊の方も無関係の葬儀屋に取り憑いたりしないとのこと。
現場で何かを見たり感じたりというのはあるかもしれないが、それも一時的なもののよう。
そんな理由から、おば様は霊媒体質だが葬儀屋に来たとのこと。
話のついでに、「じゃあ、私のデスクがガタガタいうのは何なんですか?」と聞いてみた。
すると、「あなたのデスクは長男さんのものだったみたいね。今も座ってる。私が叱られてるのを長男さんは自分が怒られてると勘違いして、お父様(社長)にいつも反論してる」とのことだった。
明日からデスクに座りづらい・・・。
(終)