亡くなった翌朝にあちこちで目撃されていた父
これは、亡くなった父にまつわる不思議な話。
父は亡くなった翌朝に、会社で多くの人に目撃されていた。
海外勤務の一時帰国中に亡くなったのだが、翌日に勤務先へその旨を伝えたところ、「エレベーターで一緒になったよ?」と言う、同じビルに入っている別会社の日本人スタッフがいたそうだ。
その人は、「いつもは一緒になったら挨拶してくれるのに無言だったので、今日は調子が悪いのかな?と思っていた」とか。
他にも、同じ日にこんな多くの目撃談もあった。
「そんなはずはない!神崎さん(父の仮名)が執務室に入っていくのを見た」と言う、掃除のおばちゃん。
「神崎さんの部屋から内線があったから出たけど切れていた」と言う、父の秘書さん。(部屋を見に行ったが無人だったとも)
「最後に帰ろうと思って戸締りをしようとしたら、神崎さんの執務室の照明が点いていたので消したのに、翌朝に点いていた」と言う、同じ会社に勤めるスタッフさん。(執務室の照明はいつも父本人が点灯と消灯する習慣だったそう)
時系列順に並べたが、“どうやら父は自分が死んだことに気づかずに出勤して、一日仕事をしていた”らしい。
補足すると、秘書さんの証言までは父が亡くなったという連絡をする前の出来事。
仕事熱心な父だったようだ。
(終)